itsuro | 京都の呼び屋

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呼び屋です。イベントやメディアにタレント、文化人、スポーツ選手などをキャスティングするのが生業。大都市の喧騒から離れ、今は京都を中心にゆるりとお仕事(でも住んでいるのは大阪)。

最近の記事

眼鏡だったか、ヌートバー!

WBCで優勝した侍ジャパンの一員ラーズ・ヌートバー選手。彼について書いた前回の記事の「予想」は半分当たりました。 ヌートバーのCMは近いうちに見られるのではないか、2009年のWBC優勝時に活躍した岩隈選手は大会後1ヵ月でCMが放送されたので、早ければ4月中に再び彼の笑顔に再会できるのでは?と書いた私。この予想はビンゴ! ですが、広告主はハズレ。Zoffときましたか。眼鏡メーカーは想像もしませんでした。YouTubeで先行公開されたCMは米国で撮影されたそうで、彼が町を歩い

    • 呼び屋が見たWBC(もしくはヌートバー選手のCMに関する予想)

      今さらですが、最高でしたね!WBC。 試合や選手の話はもう出尽くしてしまった感がありますので、私は自分の過去日記を振り返ります。 侍ジャパンが前に優勝したのは2009年の第二回大会。MVPは松坂投手でしたが、実は松坂よりも印象に残る活躍をしたのが当時楽天に在籍していた岩隈投手。松坂よりも多いイニング数、多い奪三振数、低い防御率をマークしながらMVPに選ばれなかった理由は、勝ち星が少なかった(松坂3勝、岩隈1勝)以外に思いつかないのですが、まあいずれにせよ、この大会が岩隈の名

      • 「テレビ拒否」の時代があった

        矢沢永吉がビールや健康食品のCMに出ているのを見ると、「あの矢沢が」という小さな違和感とともに時のうつろいを感じます。その昔、1970年代終盤から80年代にかけて、矢沢はじめ中島みゆき、オフコース、長渕剛らロック・フォーク系(当時ニューミュージックと呼ばれました)アーチストの一群は「テレビに出ない」ことを宣言していて、歌番組にもCMにも一切出ませんでした。彼らによる「テレビ拒否」とは何だったのか、今振り返って思うことを書きます。 「テレビ拒否」の対象は、主に当時隆盛をきわめ

        • スタイルのある男

          眼鏡のCMでトータス松本を見ました。「ガッツだぜ!!」でブレイクした四半世紀前に比べれば全体にやや肉が厚くなったものの、声も顔もスマートな体格も(どこかの歌詞みたい)昔のまま。50歳を過ぎて、いえ四捨五入すれば60歳で、このカッコよさは尋常ではありません。 本業がミュージシャンということもあってかそれほど多くの広告には出ていませんが、最近ではエドウィンのジーンズのCMがありました。眼鏡もジーンズも「似合う」がキャスティングの第一条件でしょうが、それにプラスしてトータスが選ば

        眼鏡だったか、ヌートバー!

          家電芸人の現在地

          ネット記事を見ていて、昨年末「アメトーーク」で「家電芸人2022」が放送されたことを知りました。「家電に詳しいタレント」が突如脚光を浴び、テレビやイベントに引っ張りだこになったのは2000年代終盤。今「家電芸人」という呼び名を聞くのは年末恒例のこの企画くらいですが、それでも5年続いているのですから、一定数のニーズはあるのでしょう。 今回は自分の過去日記を再録しての答え合わせ(前回はこちら)です。 ・・・・・・・・・・・・・ 「家電俳優」考/細川茂樹(2009年6月30日)

          家電芸人の現在地

          シニアモデルの奥様方

          最近はいわゆる「シニアモデル」のお問合せをいただくことが増えました。世の中が高齢化し、高齢者向けの商品やサービスが増えたせいで、それらの広告に高齢者のモデルが求められているというわけです。無料素材もおじいちゃん、おばあちゃんの写真やイラストがずいぶん充実してきました。とはいえ、オリジナルの写真でWebサイトやパンフレットを作りたいという企業は多く、我々にお声が掛かります。 シニアモデルの手配を依頼されたら、著名人を指定されるのでなければ、たいていはモデルクラブにお願いして登

          シニアモデルの奥様方

          タレントブログ有料化のゆくえ

          2008年から2009年にかけて、私は今と同じようなタレントのキャスティングに関するブログを書いていました。事情あって一旦閉鎖したのですが、原稿は残していて、今読んでみると、なかなかに味わい深いものがあります。「あの頃はこうだった」と、懐かしさとともに時代の流れを感じたり、あるいは当時想像した未来を今「答え合わせ」できる楽しさもある。そんなわけで当時のブログを再録し、あらためて考察してみようと思い付きました。 以下は、2009年に投稿した記事で、ガッキーこと新垣結衣さんのブロ

          タレントブログ有料化のゆくえ

          スポーツに「恩返し」したい人へ

          2回続けてスポーツの話題です。 先日、某プロバスケットボールチームの営業氏とお話しする機会がありました。実はあちらから私にアプローチがありまして、その目的は「スポンサー探し」。仕事の話をしているうちに話題はスポーツビジネス全般に広がり、スポーツ業界を目指す方の参考になりそうな内容も多かったので、営業氏のお話の一部を(ご本人の口調を真似て)ここに公開します。 プロスポーツチームが求める人材 必要な人材ですか?それは「仕事ができる人」ですよ。営業であれ、経理であれ、マーケティ

          スポーツに「恩返し」したい人へ

          スポーツ代理人の仕事

          年末から年始にかけて、2人の日本人野球選手がメジャーリーグ移籍を決めたニュースには驚きました。その契約の金額にです。オリックスからレッドソックスに移籍する吉田正尚選手は5年総額9000万ドル(約122億3300万円)、阪神からアスレチックスに移籍する藤浪晋太郎選手は1年325万ドル(約4億3900万円)+出来高100万ドル。まだメジャーで実績のない2人にこれほどの先行投資をさせるとは、これは間違いなく、2人の代理人を務めるスコット・ボラス氏の手腕と言っていいでしょう。というこ

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          シェフの名前は高いか安いか

          スーパーの食品売り場、あるいは食品の通販サイトに行けば、有名料理人や一流店の名前が付けられたレトルト食品がずらり。「予約の取れない店」が、カレーにシチューに釜飯にと大忙しです。私の守備範囲ではありませんが、これもひとつの「キャスティング」。そう思うと黙って通り過ぎることはできません 笑 まず思うのは、一流の料理人や人気店がレトルト食品なんかに名前を貸していいの?ということです。自分の名前、自分のお店が安っぽく見えやしないか心配しないのか? タレントの場合、イメージキャラク

          シェフの名前は高いか安いか

          キャスティング会社に就職したい人へ

          たまに、私のnoteを見た方からメッセージが届くことがあります。先日いただいたメッセージは、大学生の方からの「キャスティング会社に就職したい」というキャリア相談でした。大学祭の実行委員をやったことがあり、その際に大物タレントを大学に呼ぶことに成功したそうで、これを自分の仕事にしたいと思ったのだそうです。自分と同じ仕事を志す人がいることを知り、純粋にうれしく思いました。 noteにもキャスティング会社の(おそらくリクルートを強く意識した)公式アカウントがあるし、もしかしたら一

          キャスティング会社に就職したい人へ

          タレント事務所との交渉に必要な「4つの条件」

          前回はタレントを呼ぶ前提となる「3つの確定」の話をしたので、今回はその次の段階、我々が事務所と交渉をするための「4つの条件」についてご説明します。もちろん細かいことを言えばもっとたくさんの条件があるのですが、ここではもっとも肝心な4項目をピックアップしました。 なお、これらは主に広告の出演依頼を想定しています。イベントやトークショーなどへの出演は1のみの確認で進められることが多いですね。もちろん「3つの確定」がなされていることが前提ではあります。 1.依頼する仕事 広告な

          タレント事務所との交渉に必要な「4つの条件」

          呼び屋が動くための「3つの確定」

          弊社もしくは私にタレントキャスティングのご相談をくださるお客様の半分くらいは、「タレントを使うのは初めて」の企業様です。ですので、この業界ならではの、一般的なビジネスとはちょっと違う仕事の進め方に戸惑われることがよくあります。そこで今回は、「こういったことを予めご理解いただけていたら話が早い」というポイントをご紹介します。題して「3つの確定」。これらが確定していなければ、我々は動くことが出来ません。 では、順番にご説明しましょう。 1.実施の確定:タレントを使うことが確定し

          呼び屋が動くための「3つの確定」

          トークショーの帝王

          イベントや広告にタレントを手配するのが私の仕事。ただし「タレント」といっても誰もが知っている有名芸能人を扱うことなど年に1回あるかどうか。それこそ、少し前にご紹介した「ズラモデル探し」みたいな仕事のほうが圧倒的に多いわけで。 そんな私が扱った数少ない有名タレントの一人に石田純一さんがいます。仕事をさせていただいたのは2000年代後半、「不倫は文化」発言でドラマやTV出演の仕事を減らしてしまった石田さんでしたが、そのころホテルなどで企画されるトークショーには「ゲスト」として引

          トークショーの帝王

          ディナーショーのキャスティングが保守的になる理由

          ホテルのディナーショーのタレントキャスティングのお問合せが増えてきました。ようやくコロナも明けて日常が戻ってきたようで、呼び屋としては嬉しいかぎり。ところで、ホテルであろうと他のイベントであろうと、私の仕事はタレントを呼んでくることに変わりはありません。ですが、ホテルは苦労するポイントがやや独特です。 今回は愚痴っぽくならないように注意しつつ、そんな話を。 M-1優勝コンビにあやかって「あるなしクイズ」ふうに説明しましょうか。普通のイベントにあってホテルのディナーショーにな

          ディナーショーのキャスティングが保守的になる理由

          「薄い人」を探して

          数年前、某芸能関連サイトの運営を任されていました。サイトのアクセス解析をする一環で「どんなキーワードで検索されているか」を日々チェックするのですが、面白かったのが「男性タレントの名前+カツラ」の検索が妙に多かったこと。なぜ世間はそんなに男性タレントの頭髪に関心があるのか(笑)噂の真偽を知ったとして、得した気分になるとも思えないのですが。 頭髪といえば、カツラの会社のキャスティング依頼にお応えしたことがあります。ご要望はズバリ、その会社の商品を「装着」して、ビフォーアフターの

          「薄い人」を探して