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デビッド・ボウイ訪問の「桃源洞」には真のあるじが… 「千人斬り」伝説の男と寂聴の絆 ボウイの秘密#5

 激動の世界潮流に翻弄されながら京都にたどり着いたディヴィッド・キッド。東洋美術の粋が集められたという九条山の「桃源洞」とはどんな邸宅だったのか。デビッド・ボウイも訪れたという神秘の館の謎を追うと、その真のあるじとして、さらに京都の闇を知り尽くした人物が姿を現した。(THE KYOTOライター/京都新聞文化部編集委員・樺山聡)

 2021年11月9日、作家・瀬戸内寂聴さんが亡くなった。99歳。その長い作家生活の中で数多くの作品を残したが、1974年に刊行した小説に『色徳』がある。その冒頭は、九条山から始まる。

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