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National Holidayの歌詞の世界

今回は「National Holiday」の歌詞の世界です。
名曲「イチブトゼンブ/DIVE」の両A面CDの3曲目として収録されているのがNational Holidayです。きっとライブでもほとんど演奏されたことはない一曲ですね。

まあ、好きですね。全体的に。
何がというと、稲葉さんの歌詞の世界で良く登場するどうしようもなく彼女が好きな男の人の気持ち。
それがとっても純粋で、しかも日常的な表現のされ方が大好きです。
メロディもキャッチーでコアなファンじゃなくても聴きやすいと思います。

さて、そんな「National Holiday」ですが、ここでは「国民の休日」について歌われています。
何の予定も入っていない祭日。
ダラダラ過ごしてたら昼過ぎちゃった。
そんな時に頭をよぎったのは大好きな彼女のこと。
なんだかいてもたってもいられなくなって、とりあえず服をきて電話も何もしないで彼女の家まで行っちゃって出掛けちゃうという感じの内容です。

この曲、1サビの最後では「すばらしい日になる気がした」と壮大なネタバレを行っちゃってるんです。
でも、ここはこれが最高にカッコいい。
そこまでに「誰かに出し抜かれ 遅れをとるのはやばい」なんて悶々としているのでそんな彼が勇気を出して彼女の家に迎えにいってサプライズを起こした時の彼女の顔があまりにもかわいかったんだろう・・・と想像できます。
もうこの顔を見ただけで「すばらしい」と思えたとも考えられるのでそこもまたなんだか可愛い恋愛模様を見ているようでホッコリした気分になれるんですよね。

この歌の中で私が一番好きな歌詞は「並んでる車に信号待ちのワゴン 窓ガラス越しに家族が笑う」のところ。
この1節で皆の日常風景を切り取っている感じがしませんか?
車というパーソナルスペースの中で、家族にしか伝わらない話題(かもしれない)で盛り上がりそして笑う。
幸せの塊のような風景。
それを大好きな彼女を隣に乗せた彼が見ているんです。
こうやって皆幸せをつかみ取っているんだなあなんてぼんやり思うところもまたヨシ。
そんな景色を「羨ましい」とか「妬ましい」なんていう言葉ではなく「愛しい景色」と表現してくれるところに稲葉さんの幸福の高さを感じます。

そしてラストパートではデートの締めくくりを描いています。
2人は蒼が濃くなっていく空。
しかも星が出てくるような時に、どこかを2人で散歩して、しかも止まりそうになるぐらいゆっくり、ゆったりと散歩しているんですよね。
何か目的がある時ってそれだけでセカセカと歩いてしまうものですが、今回のここでの2人は何の目的もスケジュールもがら空きの2人。
コーラスで「手をつないで」なんて入れるところも可愛い。
こんな最高な日はないよ!という気持ちの表現を「その日のすべてが気分よかったんだよ」としているのもかわいさの延長上にあると思いませんか?
何を見ても、どんなことをしていても、(きっとOKを貰えた今日だからこそ)全てが気分良かった、これ以上の浮かれ具合ってないですよね。
その日の半分は悶々としていたのに、たった一歩踏み出すだけで「新しい扉が開けるんだろうな」として締めくくっています。
これはきっと恋愛のことだけではなく、稲葉さんの歌詞の世界に出てくる「全てのことへの応援」というニュアンスな感じがしませんか?

是非、ライブで聴きたいものです・・・。

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