対話 9

あーあ、疲れちゃった。口に出してみるとストンと胸の中に落ちてきた。んーんん、やっぱり私疲れてるのか。そうかそうか。

つかれた、なぁ。

新卒で入った会社を3ヶ月弱くらいで辞めて、学生時代のバイトに戻って月230時間働いて、そこの社員になってみて、今ここにいる。いったい何につかれているんだろう。世の中の多数からはおそらく外れた道を選んでいるんじゃないかな、という引け目だろうか。それとも単にお金が無くて消費者金融のお世話になっていろんな人に借金を作っていること、だろうか。それとも、そんな人生を生きている自分自身に、かしら。自分の事を蔑ろにし過ぎて他人を軽んじはじめてしまった、なんていうことは言わないし違う。でもやっぱり、つかれちゃったね。

何処で何を間違ったんだろ。考えても仕方のない事ばかり考えてしまう。ほんと、どうしようもない。何も間違ってなんかいないと思う私と、全部間違いだったと思う私で、自分が圧死してしまうんじゃないかと思う。いきがくるしい。今が正解だと思っている、思い込んでいる…?

「なーんにもまちがってないよ。いまきみは、しあわせでしょう?だって生きているじゃない。あしたも太陽がのぼって、お月様が見える。それでいいじゃん」

でも。それでも。地続きの日々が、関係が、私の首を絞めている。殺しにくる。くるしいって叫んでも喚いても、だれも、いない。

「首を絞められているのも殺されてるのも、君の選択だ。勝手に絞められて殺されてるだけのくせに、なにいってんの?」

五月蝿い、うるさい。貴女だって、私を救ってはくれないくせに。私が全部悪い事も能力がない事も全部知ってんだよ。解ってるよ。でも、だけど、くるしいの。むりなの。つかれたの。

独りになりたくないくせに1人でいたいなんて、なんて我儘なんだろうね。
独りでいることは怖いのに、人といることを煩わしく思ってしまう私は、いったい何様なんだろう。
1人では自分の輪郭さえ覚束ないくせに。

「ほんと、ねぇ。そんなになるまでほっとくから。可愛くて愚かで可哀想。仕方ない、僕らの業だよ」

そういって、君も背負ったフリをしてくれるからもう暫くは保ちそう、かな。無理なら無理で泣き叫べたらいいなぁって思いながらこうして言葉を紡いでいるよ。

「ほうら、明日も早いんだろ。お酒と自意識に酔っておやすみ。いい夢を」

#対話 #エッセイ

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