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「すべての子どもに必要なこと」を

 今年の夏(※)にはさまざまな先生たちと学ぶ機会をいただきました。
 そんななかで、とても気になることがあります。それは「すべての子どもに必要なこと」と「それ以外のこと」が混同されていることです。

 パブリックの学校の最上位の目的は「すべての子どもに必要なこと」を具体的に可視化し、何よりも優先順位の一番に実践することです
 たとえば、全国学力調査の平均正答率を上げることを目的に学校教育の全体を変えたら「被害」を受ける子どもがどれだけいるでしょうか。
 現行の「決まり」や「学習スタンダード」なるものは「すべての子どもに必要なこと」としてつくられているでしょうか

 夏の合宿セミナーで、教員志望の学生が食事のときに「手を合わせて」と声をかけ、みんなが手を合わせたのですが、一人の方は身体に「障害」があり手を合わせることができません。それなのに食事の前は「手を合わせて」という従前の学校のあたりまえが出てしまったのです。
 教室に「立腰(りつよう)」と書かれた紙を目にすることも多くありました。背骨が湾曲している子どもはどうすればいいのでしょう。

 規則を守ることも姿勢を正すことも大事なことかもしれませんが、その前に「すべての子どもに必要なこと」を問い直してみませんか。

(※)初出記事執筆時点(2019年)。

次回は3月1日(金)更新予定です。

初出:『教職研修』2019年12月号、10頁。一部文面を変更のうえ掲載しています。


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