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働き方改革の前に学び方改革を

 教員の仕事がスリムになるためには、すべての子どもが育ち合う事実をつくることです。
 勤務時間を減らしても、仕事を自宅に持って帰っていては「教師」という仕事に魅力を感じるどころか、ますますつらい仕事になってしまいます。 
 
 全国の学校現場の先生たちの(困っている、しんどい、もうやめたい……)というつぶやきが聞こえてきます。そんな先生たちと対話していると、だれもが子どもと向き合える時間がないというのです。雑多な仕事が次から次に課され、働いても働いても仕事は増える一方で、子どもは荒れていく──。これでは本末転倒です。
 
 すべての子どもが安心して学び合える空気をつくることを最上位の目的とし、そのための手段を全教職員で対話してみてはどうでしょうか。子どもは、1日の学校での学びを納得して終えれば、次の日は安心して学校に来ます。研究授業や教材研究にどれだけ時間を使っても、すべての子どもの安心できる学校での居場所は保障できません。
 
 どうすれば勤務時間を減らせるかではなく、どうすればすべての子どもの学習権を保障できる学校づくりができるかを目的に、学校のあたりまえを問い直しませんか。

次回は6月1日(木)更新予定です。

初出:『教職研修』2019年3月号、10頁。一部文面を変更のうえ掲載しています。


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