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校長の「責任」はたった一つ

 管理職研修でのことです。
校長の責任は何と考えておられますか?」と問うと、一瞬空気が固まりました。

 普段言葉にすることがないからかもしれません。そのうち、「学力をつけること」や「教員や子どもを守ること」などが出てきました。 
 学校のなかで校長にしかできないこと、それは「責任を持つこと」だとはみなさん理解しているのですが、その「責任」とは何かについて、自分の言葉で語ることに躊躇(ちゅうちょ)するのです。 

 学力を上げることや、教職員や子どもを守ることは「仕事」です。次から次に新たな仕事が校長に降ってわいてくる昨今です。「いじめ」の事象や保護者への対応も「仕事」です。
 それに対して「責任」とは、パブリックの学校の最上位の目的である「すべての子どもの学習権を保障する」ことではないでしょうか
 一人の子どもが学校で学べていない。この原因はさまざまでしょうが、この事実の責任は校長にしかないのです。
 この責任を果たすためにどう行動するかが校長に問われています。

 結果がうまくいかないことは当たり前にあるのが今の学校です。失敗すればやり直せばいいだけです
 校長にしかできない「責任」を果たすために手段を選ばず行動する姿は、何物にも代えがたい「リーダーシップ」そのものではないでしょうか。

次回は1月5日(金)更新予定です。

初出:『教職研修』2019年10月号、10頁。一部文面を変更のうえ、掲載しています。


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