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授業時間数が足りなくて無理やり授業時間内に押し込んでしゃべった授業が生徒目線では意外に好評だった話

もしかすると教員あるあるなのかもしれません。

こちら(教員)側が、

今日の授業は会心の出来だった!

と思ってやった授業が、実は思っていたほど生徒の記憶に残っていなかったり、定着度合いが悪かったり、テストの点数に現れてこなかったりすることってありませんか。
これはこれで、何でなんだろう?と思うことも多いのですが、1つの可能性としては、授業がわかり易すぎたために生徒もその場でわかったつもりになってしまって実は理解していなかったというパターンもあると思います。
また、本当に理解っていたとしても、簡単だったから復習しなくても大丈夫でしょ、というような形で定着が図られていかなかったというパターンもありえるように思います。あとは、簡単だった(すぐ理解できた)からすぐ思い出せるでしょ、とたかをくくるようなパターンもあるでしょうか。

今回はこれらの逆の状況になります。

定期テスト前に、クラス間の授業時間数や試験範囲の関係で、

どうしても授業を押し込まざるを得ず、苦し紛れに急いで喋った内容のほうが思っていた以上に定着度合いがよかった

という話になります。

少し内容が教科の内容にも踏み込みますが、相反する2つの事象を、普通は1時間ずつかけて2時間にわたってやるのだと思うんです。

あるいは、1つ目の事象で複数時間、2つ目の相反する事象でまた複数時間というかけかたをしている方もいらっしゃると思います。

(要するに電池と電気分解のお話なんですけれどね)

基本的な性質や反応は似ている部分もあったりするのに、細部で大局的には真逆の反応が起きている。

似ていて真逆の2つの事象だから混乱するだろう。だから日を分けて(またいで)指導するのがいいだろうと私も思っていたんです。

ところが。

他に担当している先生と、どこまで進めるのか、どこまで深めるのか、どこまで演習するのかなど打ち合わせした内容から逆算すると、どうしても試験前までに押し込むという選択肢しかなかったんですね。

そして、生徒実験を行う都合も合わせると、上記の相反する2つの事象を1時間のうちに両方とも取り扱わなければいけないことに気付いてしまったんです。

あとは、こちら側がどうアプローチを工夫するか。

真逆の内容を取り扱うこと、基本的には同じ原理(考え方)を用いていることなど念には念を入れて注意喚起しながら授業をした結果でしょうか、意外に定着度合いはよかったということになります。

こればかりは私も予想外で、目からウロコでした。

もちろん、今年担当した生徒の層がよかったとか、上手く信頼関係を築けていたとか、いろんな要素が複合的に絡んでいるだけかもしれません。あるいは、生徒が必死に授業を聞いたのかもしれませんし、逆に日をまたがないからこそ同じタイミングで比較しながら理解することができたのかもしれません。

単純に自分の中で「時間をかけたほうがよい」「日をまたいで指導したほうがよい」というのがただの先入観だったのかもしれません。

いずれにしても自分の中でまた選択肢は増えました。

教員の仕事(だけに限りませんが)って本当に面白いと思います。相手によっても全然対応が変わってきますし、生徒を通して比較的早くフィードバックがもらえるのは嬉しいですね。

まだまだ自分も成長できる、と感じたできごとでした。


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