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仕事が辛すぎて「気分を変えたい」という罠について考える

 今日は新卒時代のの罠について書きます。

 仕事が辛い。
 お客さんにイライラをぶつけられて、怒鳴られた。
 上司に嫌味を言われた。
 あー、もう忘れたいな……。
 満員電車が辛い……。

 私の新卒時代は、こんな感じでした。
 交通事故の現場にいたので、怒鳴り合いがしょっちゅうです。たまにヤクザが絡んできて脅されたりします。関西のタクシー会社には「東京のやつなんかと話せるか」と怒鳴られました。

 年中、交通事故を起こしている人がいます。彼らは、どこかしら期待値が高く、他人のせいにするのが上手いのです。他人が「こうしてくれるだろう」「止まるはず」と期待するから、事故になるんです。「ああ、またあの人か……」となるのです。

 はー、めんどうくさ……。
 なんで私がこの人たちに対応しないといけないんだ……。

  そして起こるのが「この気持ちを忘れたい」「この気持ちを抱えたまま、家に帰りたくないなー」です。

 かくして、「気分転換」「癒し」が必要になるのです。
 
 同僚も同じ気持ちらしく、かくして、愚痴を言って慰め合う日々が始まりました。
 
 時代はバブル崩壊直後です。
 
 東京には、お金さえ出せば、ストレス解消と癒しのためのサービスが溢れていました。ウイスキーが一杯2000円もする夜景が綺麗なバーでは、ウエイターの人が恭しく、お酒を作ってくれます。オカマバーに行けば、豪華絢爛なショーが見られて、「あんた、元気出しなさいよ!」と励ましてくれる。コンサートに行ってアリーナ席ではしゃげば、嫌なことなんて忘れてしまう。

 高級旅館に行ってみんなでマッサージを受けると、なんだかワンランク気分がアップします。

 同僚は「自分にご褒美をあげないとね」と言いました。それはアクセサリーだったり、ブランド品のバッグだったり、高価な洋服だったりします。高級品を買えば、店員さんが名前を覚えてくれて外まで送ってくれて、「気分が上がるー」みたいになるんですよね。

「お金を出しての気分転換」が癖になると危険

 お金さえ出せば、いろいろな楽しいことができるーーこんなふうにハマっていくのに時間はかかりません。

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