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雄性不稔の憂鬱

タネが危ない

 このトウモロコシ畑の写真が、人類の破滅的な未来を暗示していると思う人はどのくらいいるだろうか。食物については身体をつくる源なので、敏感な人が多い。合成着色料、調味料、野菜の農薬汚染や化学肥料、家畜の餌、土の放射線汚染、遺伝子組み換え作物など、健康な身体を維持するためには誰でも体に悪いものは避けたいものだ。だが、食べても当人に何の害もなく、子孫を残すことだけに弊害があるとしたら怖い話だ。

野口勲著 タネが危ない

この本で著者は、仮説と言いながら、恐ろしい未来がやってくる可能性について、丁寧に説明している。タイトルの「タネが危ない」とは、野菜・穀物などのタネが安全でなくなりつつあることを伝えるだけではない。人類のタネ、つまり精子の危機、生殖の危機を伝えようとしている。その鍵は、ミトコンドリアだ。

 家庭菜園が希望の光

雄性不稔技術は悪魔の誘惑

雄しべに欠陥があり、機能しないことを、雄性不稔という。この性質は、細胞内のミトコンドリアに格納されていて、雌しべには異常がないので、別の正常な株の花粉が付けば種を作ることができる。現在、栽培されている野菜や穀物は雄性不稔の性質を持っている場合が多く、あらゆる作物へ拡大中である。
そして、この雄性不稔の性質を持つ食物の摂取量は、年々拡大し、それに反比例するように、成年男子の正常な精子の量は減少中である。

この流れは止めることができそうにもない。未知のウィルスによるパンデミックを予言したかのように言われているビル・ゲイツは、雄性不稔技術の怖さに気づいているのかもしれない。ノルウェーにスヴァールバル世界種子貯蔵庫という施設を作り、来るべき時に備えている。

固定種の種

私も、昔ながらの固定種の種で野菜を家庭菜園で育てようと思う。自家採種まで、自前でできるようにして、来るべき時に備えたい。