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無名の染物屋が、なぜパリのブランドとコラボしてジャケットを作れたのか。

私たちは、岩手県一関市に、大正七年から100年以上続く染物屋です。
普段は民俗芸能の衣装や祭り半纏、手拭などを受注生産しており、海外への販路開拓など未経験。ましてや、ファッションの都パリとは縁遠い存在でした。しかし、そんな田舎町の染物屋が、なぜ海外進出できたのか。
数回に分けて、お伝えできたらと思います。

考えた通りの未来になる

そもそも、なぜ海外に販路を開拓しようと思ったのか。国内でも私たちの仕事を届けられていないお客様がたくさんいるのに、わざわざハードルの高い海外で勝負しなくてもいいのではないか。ノウハウなし。人脈なし。英語も話せない。完全なる未知の領域。「今じゃない。到底無理。出来っこない。」と考えるのが当然だと思いませんか。

当時の職人たちや周りの経営者、友人たちも、同じような考えでした。

私が、軽口を叩いて「海外進出して、世界一の染物屋になりたい」と夢物語を伝えると、「へぇ〜。夢あるねぇ〜。いいじゃん!」と言ってくれます。しかし、今度は真剣に目標設定をして具体的な行動計画を立てて、いざ実行しようとすると、「絶対無理。やっても無駄。リスクしかない。今はその時期ではない。」と言う。

あぁ、こういう考え方をしてしまうから、ジリ貧になり、気づいた時には手遅れの未来が訪れるんだなと怖くなりました。

海外進出する理由の理由

最初の頃は、「海外進出ってかっこいいよなぁ」くらいの朧げな夢でしかなかったのです。しかし、たくさんの方々に夢を語っているうちに、自分の腹の中に、怒り、不安、情熱、希望、感謝などいろんな思いが渦巻いて、「絶対にやってやる!」という強い思いに昇華しました。
海外進出する理由はたくさんあるのですが、それらを簡潔にまとめた理由については前回お伝えしているので、そちらをご覧ください。

前回もお伝えした海外進出する理由を別の言い方に変えると以下の3つになります。

  1. 自分たちが作り上げたモノが世界でも通用することを証明し、自分の自信、職人たちの自信に繋げたい。

  2. 東北の職人たちと共により良い未来を作るために、彼らの手から生まれた素敵な商品たちにスポットライトを当てる機会をたくさん作りたい。

  3. どんな環境、どんな状況でも、強く願う夢や目標は必ず叶えることができるということを、私たちと同じような境遇の方々や子供たちに伝えたい。

色々な感情が渦巻きましたが、それらをやる理由、情熱に変えることが出来ました。この土台ができたからこそ、強い思いと闘志を持つことができたと思います。
だから、どんなに困難で挫けそうでも「どうしたらできるだろうか」と考え続け、行動し続けることが出来ました。

日本伝統技術とパリのセンスが融合したジャケット

Haïku-俳句-は、パリのシューズブランド「CAULAINCOURT Paris」と、日本の染物屋「京屋染物店」の出会いから生まれました。
パリの靴職人と日本の染職人。文化の垣根を越え、お互いの持つ技術・感性・エッセンスを融合させた、大人のための上質なジャケットです。

凹凸が美しい刺子生地を使用

生地は、凹凸のある生地の質感から来るシックな印象が特徴の「刺し子」を使用。日本では、昔、火消し半纏(はんてん)に使われており、燃えにくく丈夫・着用した際に動き易いという特徴を持っています。
スタイルは、フランスで昔から愛される、美しく機能的なフィールドジャケットのスタイルを基本にデザイン。
着心地の良さを追求し、裏地はなし。堅くなく、体にしっくり来る着心地を目指しました。

フォーマルでもカジュアルでも

フォーマルでもカジュアルでもお使いいただけるよう、ジャケットでは珍しい襟を採用しています。
仕事中は襟を折り、フォーマルな雰囲気で。夜は襟を立て、エレガントでお洒落に。上着を変えずとも、1着で2つのシーンを着こなすことができるジャケットになっています。

機能性も充実

ポケットのマチを広く取り、スマートフォンや財布、鍵など普段持ち歩くものが収まるサイズに設計。このジャケットを羽織るだけで、バックを持たずに手ぶらで外出できます。

シックな黒檀ボタンを採用

重厚感のある刺し子生地に合うように、シックな黒檀のボタンを使用。黒檀は木材の中でも珍しい黒い木材で、非常に重く硬いことから家具、楽器、工芸品などに用いられています。

HAIKU -俳句- /JACKET

こちらからお買い求めいただけます。
受注生産商品ですので、納品までに約1ヶ月ほど掛かります。
ご注文いただいてから、職人があなただけの1着を丁寧に作り上げます

ご注文をお待ちしています。

今回は、「なぜやるのか」動機の大切さについてお伝えしました。
次回は、「いつやるのか」タイミングの大切さについてお伝えできたらいいなぁと思っています。


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