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230629 weverse magazineに寄せて

このところ私は贅沢な悩みを抱えていた。半人前ですらない理系研究者とアイドルファンの両立はなかなかに難しく、自分の意志で選択したことにもかかわらず心構えがどこか宙に浮いていた。それを改めたく、あるときから自分の本業にできる限り集中しようと決めた。時間というよりはキャパシティの問題で、必然的にMOA友と交流する時間が減り、情報を追うのが輪をかけてスロウになり、少しどころではなく寂しい気持ちになった(ここ贅沢ポイント)。

6月も終わろうとする折、ウィバスマガジンの記事を読んで鮮やかに目が醒めた。「+1」というタイトル、そして続くメンバーたちのインタビューに。

SOOBIN:
私もスビンの友人と同じことを考えていた。そしてアンコール前の「これが最後の曲です」「え〜!」というやりとりに乗るのがどちらかというと苦手だった、意義がわからなくて(意義を問うなよ)。スビンの答えを読んで、読みながら涙が出そうになった。私がアイドルという立場でないこともあり、彼のような回答は逆立ちしても出せないだろう。「この後アンコールがあるんでしょ?」と甘んじてライブに臨んでいたことを悔いた。そして一生のうちに何度アンコールの一曲目を聴くことができるのだろうか、と。
いつも思いがけない視点をくれてありがとう。これからも愛をたくさん表現します、力になれることを信じて。

YEONJUN:
公演を観に来るまでの過程がどれだけ難しく大変なものか、足を運んでいるはずの本人たる私はピンと来ていなかった。健康などの個人的理由、運、周囲の協力、諸々の状況が整って初めてチケットを手にすることができる。そんな何万人ものMOAの人生に想いを馳せてくれていることに頭が下がる。そして彼の目は公演に来られないMOAたちにも向いている。だからこそ、隙のないヨンジュンのパフォーマンスからはいつも感謝が滲んでいる。
Happy Foolsのダンスという宝を生み出してくれてありがとう。初対面であっても違う言葉を話しても、Happy Foolsを一緒に踊れば私たちはきっと友だちになれる。

BEOMGYU:
ボムギュが子どもの頃の楽しかった思い出を話してくれるたびに心が温かくなる。「よく覚えていないけどあのときなんか楽しかったよな」という霞のような記憶が人生を支えてくれるのは気のせいではない。実際私たちは、驚異的な記憶力がない限りコンサートのディテールを忘れてしまうだろう。でも楽しかった。その感触は残り続ける。
どう考えても演者の疲労の方がとてつもないのに、私たちを気遣ってくれてありがとう。私は長く立っていることができないので曲の最中にでも座ってしまうのだけど、とても心強い気持ちになった。これからもできる範囲で精一杯の応援を届けさせてもらいます。Blue Spring、大好きです。

TAEHYUN:
「 昨日の僕より、成長した自分になろう!」とDFESTAにメッセージを寄せてくれていたテヒョン。彼の努力は具体的だ。「家に帰って工夫した結果」という記述の通り、どうすればもっとよくなるのかを絶えず考えていることがひしひしと伝わってくる。Blue Springのテーマをそんなテヒョンが考えてくれたことをとても嬉しく思う。
昨日より今日を良くしようと毎日思い続けるのは、ときにはプレッシャーになるだろう。そんなプレッシャーをも原動力に変えて、前進を続けてくれてありがとう。たくさん練習を重ねた結果として聴かせてくれた「I know I love you」がいまも私の耳に響いている。

HUENINGKAI:
カイのインタビューでとてもいいなと思ったのは、ワールドツアーを自身の思い出として話してくれたこと。MOAが初めて声を出せるようになり、世界中どこに行っても一緒に歌えたことが忘れられない思い出になった、と。ソロダンスという新たな試みもあり、重要な歌パートも多く担っているのに、不思議なほど涼しい顔ばかり見せてくれる。
凪いでいる海みたいなカイの声を聴くと緊張が解けるのは、私たちだけではなくメンバーも同じらしい。そんなあなたが覗かせる鬼気迫る表情のパフォーマンスもたまらない魅力だ。私のグライディックはカイちゃんモデルです、毎日安らぎをくれてありがとう。

-1+(+1) I can stay young(0) cuz of you

私の大好きなBlue Orangeadeの一節には、こんなふうに「+1」が登場する。どうしてこれを好きになったかというと、0X1=LOVESONGの0は単なる無ではなく「ゼロ」という存在なのだとおかげで気づけたからである。
誰がマイナスで誰がプラスか、それは重要ではない。私たちはお互いがお互いにとっての「+1」になり得るのだ。なんの説明もなく記事に現れた「+1」がそう静かに語りかけてくるような気がした。

話は逸れるが、先日初めてDREAM X TOGETHERを観た。特に印象に残ったのがNap of a starだった。これまで歌詞を見ようともしていなかったのだが、この映像では和訳が出ていたのでじっくりと聴きながら歌詞を追った。

I can touch
目の前に君がいなくても
I reach
僕から遠く離れても
君の記憶だけでも僕の心はいつも踊るんだ

答えのない黒い沈黙が怖い
このまま忘れてしまうんじゃないかと心配で
魔法のようだったその瞬間
君と歩いていた夜空も
夢のようにそのままなくなるような気がして

色褪せない幸せの欠片と揺蕩う不安を歌う、こんなにも美しい詩だとは知らなかった。すごく素敵だと思った箇所は「このまま忘れてしまうんじゃないかと心配」している僕が、夢の中では涙を流している君に「心配しないで」と静かに声をかけるところだ。自分が困難な状況にあっても誰かの存在が力になることは確かにある。物理的な距離が遠くても、その誰かを思うことができる。この歌詞を頭に浮かべると、私の贅沢な悩みは解けていった。

コンサートの構成や演出に関する記事からはどれほど多くの人が華やかなステージの制作に携わっているかということが、文の背後からも声が聞こえてくるほどにリアルに伝わってきた。編曲ひとつにしろ、これだけの細やかな工夫が込められていることに眩暈がするほどだった。つい5人の姿ばかり追ってしまうが、たくさんの人々の思いの集結地点なのだということが、奇跡的で尊く感じられる。

この土日のドーム公演が大盛況に終わるよう、遠方から念を飛ばしています。どうか皆さま、楽しい思い出を。

P.S.
今日でFREEZE強化月間が終わってしまうので少しだけ。約2年もの間、私はFREEZEにたくさん助けられた。夕方デスクワークに行き詰まるとゼロバイ無限ループをONにして「ゼロバイを聴いて頑張ろう!」と自分を奮い立たせている。後ろから見たらサビでヘドバンしていると思う。こんなにも好きになれる存在と出会えてほんとうにいい人生だ。
強化月間に関わらずFREEZE語りを繰り広げるそんな私ですがこれからもよろしくお願いします。FREEZEの話もFREEZE以外の話もたくさんしようね。