【9/12】高校卒業認定試験願書締め切り迫る
「お前、こんなのどうだ。」
と、テーブルに置かれたのは数枚のかみっきれ。いや、結構難しい内容が書いてあるぞ。書類と言った方がいいのかもしれない。僕はその書類の一番上の紙だけを手に取り、仰々しく字面をおった。
大学……入学……資格……検定……?
大学入学資格検定だと書いてある。なにやら聞きなれない言葉である。教頭が続けざまに話す。
「お前、進学したいって進路調査に書いてたろ。だから、大学に行く方法としてな。まあ、考えてみたらどうだ。高校三年までいったお前だ、不足単位は三教科しかないから、ちょっと勉強すればすぐに取れるだろ。」
気が動転した。ちょっとの間、僕の目の前で何が起きているのか理解できなかった。その後、いくらか教頭が話したようだが、僕のパニクッた頭では最早、聞き、理解することは不可能。書類を手に持ち、ほとんど放心状態になっていた。
「考えてみないか。」
教頭の無機質な声。しばらくの無音。昨日の出来事がビデオのように何度も繰り返し頭の中を流れた。走馬灯のように。
やるべきことが見つかったのかな?その不思議な初体験のフィーリングは僕のありとあらゆる器官を駆け抜け、身体中に電気が走ったような錯覚に陥るのに充分の衝撃。僕は自分がどんな人間であるのか、ある程度は理解しているつもりだし、その上で大学に入学することを考えてみると、モラトリアムの期間を延ばせるといった意味で、そんなに悪い話ではないはず。
つまりだ、また社会のありきたりのレールにまたがるために、そのための手段として大学入学資格検定を取得しておくのはそんなに悪い話じゃないってことだ。では、その大学入学資格検定ってやつを取ってみようじゃないか。健全なモラトリアム生活を送るためにね。
fal-cipal(ファルシパル)『戦略的モラトリアム5』 より
https://note.mu/falcipal/n/n667206ec26fb
これは、ファルシパルさんが実際の経験に基づいて執筆されたノンフィクション小説からの抜粋です。
10代の繊細な、そして普通の男子の心理が、リアルに描かれています。学校へ通う、通わないで揺さぶられ、精神が行き詰った後に、ようやく高校卒業資格を取得する試験、当時の「大検」の情報が齎されるシーンです。
予備校に通う様子や心理も、詳細に描かれています。
そして彼は、試験に合格します。
学校に行かなきゃならないの?
毎年繰り広げられる議論。
結論は出ていますよね。
「高校行かなくていいなんて無責任」という人は、大学進学への影響と、生涯年収への心配をしてくれているんですよね。
大事なのは高校に通うことじゃなくて、高卒資格。
とりあえず高卒認定試験申し込みませんか?
費用も4桁だし、11月の試験合格は難しいかも知れないけど、実地実戦に勝る訓練はなし。
大学費用を捻出できないご家庭であっても、準備ができるようになるまで。
大学進学をせず働くにしても、高校卒業資格を持っているかどうかは大きく異なりますから、欲しい資格です。
高卒資格があるかないか。
取るか取らないか。
それは別に、高校へ通い続けるかどうかではなくて、試験に受かるか受からないかで考えて良いわけです。
どうしても、試験というものに向かない特性を持っているのであれば、今の高校の単位を取る選択肢の他に、通信制や定時制の選択肢があります。
毎日毎日を拘束されるのって、余程合わなければ嫌に決まっています。
1日1日が大切な日。
それなのに、自分で望まない人達に会いに行かなければならないなんて、結構最低です。
学校へ行きたい人が行けばいいし、行きたくない人は試験で高卒資格を取ればいい。
それだけのことではないですか?
冒頭のファルシパルさんだけではなく、旧大検、高卒認定試験に合格して取得された方は、実際には沢山いらっしゃいます。
2018年、高卒認定について投稿した際、こんな方に素敵な方たちが、高認にあたる旧大検をとったよ!通信制の高校を卒業したよ!と教えてくれました!
noteの女神、middle-note女史。
おお、締め切り間近に知って、それで合格したんですね!2ヶ月くらいしかないでしょうに、すごいな。
愛を研究している方です。彼女のnoteを覗けば、なにやら暖かい世界が広がっていて、必見。
大検を受けたこと、良い思い出とのことです。
通信制はどうよ
次に、はやみんこと逸見さん!
逸見さんは、通信制を卒業されたそうです!
私の記事では高卒認定試験推ししていますが、通信制や定時制の高校に編入する選択肢があります。
そして、通信制は高卒認定との合わせ技を使えると。
エネルギッシュなのに疲れやすい!HSP/HSSの記事など、まさに「生きる」をテーマにされている逸見さん。
そんな逸見さんが、こんな風に通信制高校のことを書いてくれると、心の行き場ができる感じ!
※9/1 AM1:00追記
おおっと!逸見さんが、通信制へ在籍するようになった経緯や、実際に在籍した様子を書かれている!
逸見さんの鋭い触覚が良いと感じたのだから、安心できてしまう。
ズルいよね。
取り上げてくれて、ありがとう!
そして、あらためてファルシパルさん。
高卒認定に合格した主人公は、どうするのか?なんと、特待生に?大学院進学も?
読み物として、非常に読み応えがあります。
全ての中高生に読んで欲しい。書籍化して図書館に置いて欲しいと切に願う小説の一つです。
ファルシパルさん、middle-noteさん、逸見さん、事前連絡なく引用させていただきました。お気付きの点がありましたら、お申し付け下さい。
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