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2020年8月に観た映画

8月は、戦争にまつわる映画から、心理サスペンス、往年の名画、BLアニメまで、いろんな種類の映画を観た。
夏休みで時間の自由も利いたので、結構充実だったなあ。

68 お母さんの被爆ピアノ

わたしの友達が沢山住んでいる広島。
広島の原爆で、焼け残ったピアノを集めて修理、調律し、その音色を全国に届ける活動をしている調律師の矢川さんの活動をベースにした物語。
広島出身であること、広島の話をすることを躊躇う被爆二世の母親の想いと、本当のことを知りたい娘とのすれ違いや、娘の精神的な成長の物語。

69 ルース・エドガー

本当の自分を出さずに、親や学校の求める姿を演じる優秀な学生ルース。
彼は、アメリカに来た時に本来の名前も変えられている。そんな複雑な背景を抱え、求められる理想の自分のを演じ続ける彼の本当の姿はどれなのか。検察側の証人のような、真実がどこにあるのかがわからない、精神的にくるサスペンス。

70 花のあとさき〜ムツばあさんの歩いた道

限界集落のムツさん夫妻は、畑が出来なくなり潰すごとに、そこに木や花を植えて、森に還している。そんな負債の長い年月を、ムツさんの没後まで追い続けたドキュメンタリー。
だんだんと住人が亡くなり人が減っていく村。
けれど、ムツさんの植えた花たちは、季節になると花を咲かせて誰もいなくなった村を彩る。

71 ひまわり

小学生の時にソフィア・ローレンが綺麗だと思いながらテレビで観た作品のリマスター版。
子供の頃にはわからなかった男女の機微、主人公の苦悩が今観るとわかる。
それでもソフィアの凛とした美しさは変わらない。

72 白い暴動

ロックの力で人種差別を無くそうと立ち上がった市民たちが、ミュージシャンやデザイナーと手を携えて政治家ぐるみの黒人排除に立ち向かう、RARに携わった人々のインタビューで構成するドキュメンタリー映画。
個人的には今年一番好きかも。

73 seven girls

戦後の混乱期を明るく強く強かに生き抜いた娼婦たち「パンパンガールズ」の物語。
どんなに辛いことがあっても、明日は必ず来る。

74 アングスト

サイコパスの脳内を覗き見するような、殺人鬼の脳内の独白を延々と聴きながら彼の犯行を追っていく映画。当時は上映禁止や打ち切りが相次ぎ、30年の時を経て公開された。
頭の中ほど身体や現実がその通りにならないリアルさが気持ち悪い。

75 RUN!3films

短編3話のオムニバス。
追憶ダンス
会話劇のおかしみを十二分に味わえる。
VANISH
表で堂々と生きられないが守るべき存在を持つ男たちの利害が一致した時に起こったのは?
Actor
アルバイトをしながら生活する売れない俳優が、撮影を通して成長していく。
映画のシーンなのか現実なのかの境目が曖昧になってしまう感覚が面白い。
全寺編に津田寛治さんが、それぞれ全く違うキャラクターで出演。

76 山中静雄氏の尊厳死

末期ガンで、静岡に婿養子に行ったけれど、生まれ育った佐久市で最期を迎えたいと願う山中さんと、そんな彼を支えることになった主治医である主人公との心の交流と、死を迎える患者たちを看取って、心身ともに疲弊した主人公の再生の物語。

77 RUN!3films②

監督ふたりを迎えたトークショーがあったので、通算3回目。
何回観ても面白い。

78 日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留孤児

中国残留孤児のことは知っていたが、戦前のフィリピンにこんな大きな日本人のコミュニティがあり、多くの彼らの子どもたちがフィリピンに残されていたことを初めて知る。
生きるために山奥に逃れるしかなかった彼らも、80歳を過ぎている。日本人の血を持ちながら、日本人として認めて貰えない彼らが日本人としての国籍を手に入れることが叶うのか。
一日でも早く願いが叶うことを祈るばかり。

79 追龍

久々の香港映画。アンディ・ラウとドニー・イェンのイケメン二人の男同志の友情を1960年代の香港を舞台に描いた物語。
昔の香港は裏社会と警察の癒着が半端なかったんだなあという歴史を知る。
香港のアクションものは好き。

80 沖縄戦

第二次世界大戦で唯一の日本の地上戦が繰り広げられた沖縄での戦争にまつわるドキュメンタリー。
わたしもあまり知らなかったが、沖縄県の戦死者のうち3/4が住民だったという事実。
そして、おなじ防空壕(ガマ)でも、全員が死亡したガマと、そうでないガマがある。
日本軍がいたガマは、アメリカ軍の再三の投降のススメにも、投降したら殺される、と応じず、結局自決。もうひとつのガマは、投降してほぼ全員が助かったという。
事実ひとつひとつを取っても、いろいろと考えてしまう。

81 チア・アップ!

めちゃくちゃ元気が出る映画。
平均年齢70歳のチアチームが巻き起こす騒動を描きつつも、人生の最期に何をするか、ということを考えてしまう映画。そして、おそらくその決断をめちゃくちゃ後押ししてくれる。
主人公の潔さ、わたしも遺骨を花火と打ち上げたい。

82 はちどり

多感な14歳の揺れる心。
団地に住む普通の中学生ウニの目を通して、家族との軋轢や学校生活への無力感、大人に対する期待感の薄さ、友情や恋愛の脆さを淡々と描きつつも、自分を見てくれるひとりの大人との出会いがもたらす彼女自身の変化。
彼女はどんな大人になったのだろう。

83 ギヴン

ノイタミナ枠初のBL作品の映画化。
原作はキヅナツキの漫画。わたしの好きな作家さん。
TVシリーズでは立夏と真冬の高校生組の恋愛までが描かれ、映画では秋彦と春樹の大人組の拗らせた恋愛が描かれる。
絵の綺麗さもさることながら、バンドの音、画の躍動感が良い。真冬を演じる矢野さんの歌声がまた良き。

8月は16本。うち1本は2回観た。
別府ブルーバード劇場の作品を中心に観た月だった。

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