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色を失っていた日のこと

あれは2020年の春
世界がコロナのニュース一色だった日々

私はパニック障害と鬱の真ん中にいた。

あの時の私は目に見える物、触れる物、食べる物、全ての色を失っていたように思う。何を食べても美味しいと感じないし、嬉しいも楽しいも感じなくなっていた。

体重は減り(5キロ減)
無気力状態(ベットから出られない)
判断力がなく(買い物に行っても何を買って良いか分からない)
とにかく不安だった

それでも、治りたいという気持ちはあって、両親や主人・子供達のためにも早く良くならなきゃと焦りもあった。

セロトニン分泌のために午前中、朝日を浴びながらの散歩が良いと知ったが、まだまだ外に出られる気力は湧かない。

それでも午前中ベランダに出て太陽に当たる。腕まくりをして日光を文字通り、肌で感じた。

ふと、向かいの家の紫陽花が目に入った。

「きっとキレイなんだろうな。」

目で見ているのにキレイだと感じるはずの心が動かない。“キレイだ”と感動する心は戻ってくるのだろうかと気持ちばかりが焦った。

以前と変わらない景色なハズなのに、私の脳を通る時だけモノクロになって出力さるようで途方に暮れる。

あれから3年

紫陽花を見るとあの日のことを思い出す。

色は確かに戻ってきた
そして感情も

モノクロのあの時があったおかげで、紫陽花は以前より鮮やかに、そして尊いものに見えるのだった。

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