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「コワーキングスペース」のコンセプトを発展させた新たな場『コクリエーション・Co Creation Space(共創スペース)』という概念を提案したい

おはようございます!
前回に引き続き、MUKASA-HUB関連の話題です。Note書きながら思いついた言葉「ゆるやかな公共」が案外すっきりと僕の中で腹落ちしていまして、もう少しこの「場」の考え方について整理しておきたいと思います。https://note.com/kyushuisland/n/nd3ffe74b53fc

いったん定義された言葉(単語)そのものが、時代と共に存在の意義を制限してしまうってことはよく在ることです。『Co Working(コワーキング)』という概念も、その一つと感じています。

コワーキングスペースの歴史は、2000年代初頭に遡ります。最初の公式なコワーキングスペースは、2005年にアメリカのサンフランシスコでブラッド・ニューバーグによって開設されました。彼は、自由な働き方を追求する独立したプロフェッショナルが、アイデアやリソースを共有し、コラボレーションすることができる場を提供することを目指しました。

その後、コワーキングスペースの概念は世界中に広まり、多くの都市で急速に普及しました。これは、インターネット技術(&通信の技術)の進歩やテレワークの増加、フリーランスやリモートワーカーの増加といった要因が後押ししました。

2010年代に入ると、WeWorkやImpact Hubなどの大手コワーキングスペース企業が登場し、その事業規模を拡大していきました。これらの企業は、オフィススペースを提供するだけでなく、ネットワーキングイベントやビジネス支援サービスを提供することで、コワーキングスペースをさらに魅力的な選択肢にしました。

現在、コワーキングスペースは世界中で急速に成長し続けており、日本でも多様な業種や職種の人々が利用しています。また、コワーキングスペースは従来のオフィス環境に対するアルタナティブとして、働き方改革の一環としても注目されています。

もはや、僕らは都市部の狭いカフェ空間で肩をぶつけながら肩身の狭い思いをして「必死で電源とテーブルを探す」という行為は必要なくなりました。例えば、僕自身も立ち上げのお手伝いをしてきた「Co-working&Co-learning Space Q」は博多駅の地下1Fという絶好の立地も相まって、特にコロナが落ち着いた今春以降はいつも賑わっています。出張先でオンライン会議などがあれば、まずはコワーキングを探したりしますよね。全国津々浦々、都市部であれば”働く場所”が見つからないところは無くなったと思います。

一方で、コワーキング=働く場・拡張したオフィス環境という発展をしてきたこの定義も、(特に地方においては)不動産ビジネスとしての過当競争に晒されつつあり、多様なユーザーや地域コミュニティからの要請を満たすという観点では次の概念へと発展させる必要性を感じるようになりました。

地方には古民家を改装したコワーキングや、僕らのように廃校を利活用したり、様々な有休資産をリノベして地域の”繋がりの場”を作ろうと奮闘している方々が増えています。また、本来ベンチャー的な事業発展をしてきたビジネスが、最近では自治体が設置(公設)する例も激増していまして、このような利用動機に対して「コワーキング」というコンセプトは既に的を外しているように感じることもありますので、それにかわる新たな概念を探して見ることにしました。

人口減少時代に求められるのは、行政や民間がその垣根を超えて提供する共通のパブリック領域(最近、それを僕は”緩やかな公共”と呼んでいます)です。全てを自治体の予算で賄うことができなくなってきた時代に、民間投資が公共空間に代わる場を提供したり、PPP・PFIの手法により住民サービスを提供(質を上げる)したりする時代になってきました。

●企業による民設公園のコンセプト「ちはや公園」

テレワークの増加、フリーランスやリモートワーカーの増加は、働き方を変えようとしています。人口減少の加速に悩む自治体にとっては避けて通れない時代の変化です。子育て中の夫婦が場に囚われずに働く場所、また多拠点居住による関係人口の増加を狙う政策において「コワーキングスペース」を有しているということは必須の条件になりつつあります。(※以下の記事は、2014年当時話題となった日南市の公設コワーキングスペース)

●日本初の公設コワーキングスペース(日南市・2014年)

近年では、図書館や観光施設にもそのような”働く場所”が作られている一方で、公費を使う以上は更に多様な用途、例えば子育て支援、高齢者の寄合の場、更には老朽化した公民館に変わる地域での使用用途を求めたりします。

こうした場所に対して新たに提案したいのは、コワーキングスペースのコンセプトを発展させた新たな場『コクリエーション・Co Creation Space(共創スペース)』というコンセプトです。この新たな場の概念は、多様な地域利用を促進するために、さまざまな業種や背景を持つ人々が集まり、アイデアや知識を共有し、協力して新しいプロジェクトやイノベーションを生み出すことを目的としています。

既に、MUKASA-HUB(ムカサハブ)はそのような場になろうとしており、もはやコワーキングと定義することには多少違和感があります。

まとめると、MUKASA-HUBは、以下の特徴を持つ『Co Creation Space・共創スペース』として既に機能しています。(ちなみに、MUKASA-HUBは補助金を使わない民設事業としてスタートしています)

  1. 多様性:様々な専門分野やバックグラウンドを持つ人々が参加できる環境を提供し、新たな視点やアイデアを生み出す機会を増やしています。

  2. コラボレーション:参加者同士が積極的に協力し、共同でプロジェクトやビジネスを開発することを促進しています。

  3. 地域とのつながり:地域コミュニティと連携し、宮崎市や高岡町の課題解決や地域活性化に貢献するプロジェクトを支援しています。

  4. 教育・研修:ワークショップやセミナーを通じて、参加者のスキルや知識の向上をサポートしています。

  5. サポートサービス:起業家やクリエイターが成功するために必要なリソースやサービスを提供し、プロジェクトの発展を後押ししています。

MUKASA-HUBは、従来のコワーキングスペースを超え、地域や社会の持続可能な発展に貢献する場として、宮崎市高岡町のみならず、宮崎県、そして九州のクリエイティブ(共創)・エコシステムを促進し、地域の人々に新たなチャンスとつながりを提供していきたいと考えています。そして、ここで生まれた小さな可能性と概念(コンセプト)を、各地の地方創生の現場で活かしていけたらと思っています。

廃校から生まれ変わったMUKASA-HUB

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