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祖母の顔を知らない、遺影もなかった

祖父はまむしを売買していた。生捕りしたヘビは100円、死んでいるヘビは50円で買った。ヘビの入った四合瓶を首にぶら下げ町に出掛ける。その姿が珍しくて地元紙で紹介された。

中学3年の時に亡くなった。一時限目、音楽の授業で歌い早退、葬儀に参列した。よく祖父の足の爪を切っていた。祖母は既に他界しており名前も顔も知らない。なぜか遺影もない。

昨日、孫の近況メールが届く。おやつにモンブランを食べている。「ババはモンブランが好きだから生きていたらあげたかったな」「ジジにもあげないとね」と話していたという。

妻はモンブランが好きということを孫たちは覚えていた。私の場合はどうだろう。「おにぎり好きだったね」「アンパンも食べていた」「いつも怒っていたよね」こんな感じかな。

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