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家を出る息子に、はがき20枚を手渡す

息子が親元を離れ新潟市内で生活を始めた。1996年3月~2002年3月までの6年間で、アパートを4回変わった。そのたびに、不動産屋さんから保証人としての氏名捺印を求められた。

妻は家を出る息子に、はがき20枚を手渡した。宛名はすでに書かれており、何かあったら電話かこのはがきで、と念押し。1回目はいつかなと思っていたら、3カ月後にやっと届いた。

見慣れた文字で「カレーを食べるのでスプーン1本送って」とあった。妻に見せたら「カレースプーンか。送ってもいいけど、自分で買いなさいよ。男はだめですねえ」と呆れ顔だった。

2001年春、新潟出張の初日に息子と会う。手土産を渡し、5~6分話して別れる。夜、妻に息子から電話あり。「手土産は千葉で買わないと。新潟駅で急きょ買ってきた」。親も親だ。

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