メキシコでの育成選手のスカウティングについて

メキシコの育成年代ではU-17世代が2011年のワールドカップで優勝、そして2012年のロンドンオリンピックでは金メダルを獲得しています。

今回は指導ではなく、メキシコの育成年代で行われている選手獲得のスカウティングについて説明していきます。

ヨーロッパの小国だけではなく、メキシコでも選手発掘のためのスカウティングに尽力しています。

LigaMXに所属するMonarcas Moreliaのクラブ予算はリーグの中位に位置しますが、育成年代のスカウティングスタッフが3人在籍しています。

育成年代の選手を獲得する方法は3つあり、

①スカウティングスタッフが大会へ視察に行ったり、対戦相手から良い選手を見つけたときに声をかけ、チームの練習に参加してもらい、合否を決めていく。

②年に2回行われるセレクションによって選手を絞り、選ばれた選手だけで練習会を行い、そこから選手を獲得していく。

③18歳以上の選手(U-20と2ndチームがあるため)については、コロンビアやチリなどの中南米からも選手を獲得する。

①について日本では、スカウティングスタッフの代わりに監督やコーチが空き時間に視察に行くことがあります。②はセレクションまでは日本と同じですが、そこから選ばれた選手だけで練習会を1ヶ月ほど行い、合否を決めていきます。
この練習会の指導はスカウティングスタッフが行います。この②の方法によって、より正確に選手の能力を把握したうえで獲得することができます。
③は中南米用のスカウティングプログラム(中南米の育成を含めたリーグ戦の映像を全て見られるプログラム)を駆使して選手を獲得していきます。映像を見て目ぼしい選手を見つけたときに、スカウティングスタッフが現地まで赴き、獲得の是非を決めていきます。

選手を育てていくというよりは、まずはどれだけ良い選手を見つけるかが重要と考えられています。
移籍に関して日本では、中学や高校年代での途中でチームは変えづらいなど動きがすごく重く、移籍先のチームが自チームより強豪の場合でも快く送り出すチームが少ないと感じられます。
メキシコでは、能力のある選手がより良いチームを選ぶことができ、クラブ側も選手が来てくれるために、より一層の努力をする必要があり、好循環になっています。

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