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メキシコサッカーの日常 3日間の指導(過去記事)

2年前に指導者交流サロンで書かせてもらった記事になります。

この文章を読んでると、当時は必死だったんだなということを思い出してきます笑

文章もその当時のままにしていますので、お時間ある方は読んでいただけると嬉しいです🤗



現在は研修生としてメキシコ1部のケレタロというクラブに関わらせてもらっているのですが、U-11から13がアメリカへ遠征中のため、U-12と13のメンバー外の選手の練習を任せてもらうことになりました。
今回は3日間の練習のみでしたが、いろいろと感じることがありましたのでメニューとともにご紹介していきます。


・1日目
メンバーはU-12と13を合わせて16名と聞いており、練習も3日間しかないということで1日目のテーマを『ポゼッション』、2日目を『フィニッシュ』、3日目を『守備』に設定しました。
事前にメニューも用意し準備万端でいたのですが、練習開始の時間になってもU-13の選手しか来ておらず、育成コーディネーターに確認してみるとU-12の監督が選手に連絡するのを忘れてたとのことで、U-13の7名のみで練習をすることになりました。


私は普段はU-11と12に関わっていてU-13の選手とはほとんど接点がなかったので、どのようにコミュニケーションをとって信頼を勝ち取るかが非常に重要でしたが、予定していた選手が半分以上来なかったので、事前に考えていたプランが台無しになってしまいました。
1部リーグのクラブの選手ですが練習態度はかなり悪く、隙があればすぐにふざけようとしていました。遠征メンバーから外れてモチベーションも低いので、自分はふざけないよう練習に集中させるので精一杯でした。


・2日目
今回は両カテゴリーの選手が来てくれて予定通りに練習を行えました。
テーマを『フィニッシュ』にし、マークを外す『デスマルケ』を意識できるようにメニューを組み立てました。このカテゴリーの試合を観ていて裏への動きが単調で相手に読まれたり、オフサイドによくなっていたので、このテーマに決めました。

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1つ目のパターンは正面の選手とパス交換をした後に、ウェーブの動きでゴールに向かうデスマルケをします。2つ目はチェックの動きでボール保持者に対してサポートをし、パスを受けたらそのまま中の選手とワンツーをします。
自分はシンクロコーチングで声をかけながら選手に試合をイメージしてもらうためにボールは奪いませんがDFとして選手をマークします。

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その後はセンターとサイドでフィニッシュのパターン練習を行いました。前の練習のおかげでシンクロコーチングのみでマークを外す動きができていました。
ゲーム前の最後のトレーニングは、攻撃側が5人+1フリーマンで、守備側が4人+1GKで行います。攻撃側は点線までのスペースでパスを5本繋いでから前へ攻撃を開始します。守備側はボールを奪ったら正面のミニゴールにシュートをします。
フォーメーションが4-3-3なので攻撃側は中盤より前のシステムと同じにしています。


5本繋いだ後で、攻撃側の選手が前向きにボールを持てた際に前線の選手がタイミングよく飛び出せるようになったのは良い成果でした。ただ、守備の強度が少し弱かったのが気がかりでしたが、そこは練習していないのでほとんど口を挟みませんでした。
最後は7対7のゲームで、練習したことを意識させてから始めました。


・3日目
テーマは『守備』で、プレッシャーのかけ方、誰が行くのかコミュニケーションを取ることに重点を置きました。
このテーマにした理由は、守備時のコミュニケーションがほとんどなく、ボールを持った相手に対して2人同時にプレッシャーをかけて裏にパスを出されるシーンが目立っていたからです。

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最初のメニューは1人の鬼と3人の守備がいて、8~10mのグリッドの角にコーンを置き、鬼はいずれかのコーンをタッチすれば勝ちで、守備はコーンを触っていたら鬼はタッチできません。守備は3人で4つのコーンを守ります。
鬼がコーンに近づいたら、守備の1人がそのコーンを触られないように守り、残りの2人はカバーのポジションを取ります。誰がコーンを守ってカバーをするのかをコミュニケーションを取りながら行います。
イメージしづらいと思うので、この練習動画を撮る機会を作ってご紹介したいと思います。


2つ目のメニューは1対1で、攻撃側は守備側とワンツーしてからドリブルを開始して点線部分を通過すれば勝ちです。守備で意識することは、攻撃側にボールを返した後に素早くプレッシャーをかけて、相手がボールを触る瞬間に止まり、その後は相手の攻撃方向を限定し、ボールを奪います。

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次は3対3でコーンゴールを3つある状況でのミニゲームで、プレッシャーをかけないとすぐにシュートを撃たれる状況になっており、高い強度で行うので1セットあたり2分で設定しています。プレッシャーをかけるときは「Voy!(行く)」と声を出すことで、誰がプレッシャーをかけるのかはっきりさせることで味方がカバーのポジションを素早くとれるようにします。
最後は5対5+2GKのゲームで、システムは3-2で行いました。1人目がプレッシャーをかけるときに迷いが少なくなったのは良かったですが、2人目、3人目が反応することがあまり見られなかったので、その部分はまた別の機会で修正していきたいです。


2日目までは自分が話をしてるときに顔を下に向けて話を聞いてくれなかった選手が半分以上いましたが、この日は顔を上げて話を聞いてくれて、最後まで集中してくれて高い強度を保ったまま練習を終えることができました。
なかなか難しい3日間でしたが、非常にいい経験になりました。言葉に関しては半分くらいを気持ちとジェスチャーで押し切った感じがあるので、そこはこれからも勉強を続けていきます笑

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