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[ElDorado]――『私が愛したヴィジュアル系』

〈1497文字〉

[ElDorado]から[EllDorado]へ、そして最終的には[ElDorado]に戻った(と認識しています)ので、[ElDorado]と表記させていただきます。

代表的な音源を列記します。

2001.03.21 Al『EGOIST』
2001.11.28 Al『AULA』
2002.04.24 Al『BIRTH』
2002.09.25 Al『SILENCE』
2002.12.21 Sg『moment』
2003.06.25 Al『FLYING DRAGON』
2004.1~6  Sg『Refrain』※同タイトルのCDsを六ヶ月連続発売
2004.08.11 Al『FREEDOM』

私はラストアルバム『再会』は持っておりませんが、CD化された音源は、すべて聴ける分だけ所持しています(誤りがなければ)。

このバンドを語るのはつらいです……。

いえ、間違いなく“最高”のヴィジュアル系バンドです。
みなさんに知ってほしいながら、音源がやたら高騰してしまっているバンドもありますが、このバンドの音源は、そんなに無理な出費をせず今も手に入れられると思います。
最初は『AULA』がおすすめでしょうか(『AULA』はジャケットやブックレットの仕様も凝っています)。

「“最高”と言ったって、コアなきみが好きなだけで、だれもみんな知らないよ」とお思いでしたら、一度も話題に挙がったことはなくとも、過去バンギャ(V系バンドを好きなギャル)だった知り合いにたずねてみてください。前置きなく「ええ、間違いなく最高のバンドだったわ」と答えてくれるはずです。かたよった嗜好をお持ちでない、全体を見通すことのできたバンギャさんなら。

幸運にも面識がおありなら、V系バンドメンバーさんでも構いません。
それなりに経歴のある方なら「ああ、間違いのない良バンだったな」と答えてくれるでしょう。

私がそう思うのは、ヴィジュアル系バンドは数知れずあれど、このバンドほど、ヴィジュアル系というものの良さを存分に、そして、これ以上ないほど模範的に体現したバンドはほかにないと思うからです。V系バンドの音楽性や様式美などのステータスを表すレーダーチャートがあれば、このバンドの総合評価はかなり高いと思います(あくまで個人的な意見ですが)。

でも、ごめんなさい。
私はライブの印象は知らず、あくまで音源(やCDの装丁など)を元に語っているのです(DVDで少し見たことはあります。舞台上にベッドを持ち込んで歌ってられましたね)。
※ちなみに配布されたライブ音源の『E・G・O・I・S・T(1曲のみ13:30)』は素晴らしく、機会があればぜひ聴いていただきたいです。

聴くのは大好きでも語るのがつらいのは、これはあくまで私の見解ですが、このバンドの核となっているのは、楽曲の大半の作詞と作曲をになっておられたba.瞬介さんだと思うからです。
そして瞬介さんは、2010年にお亡くなりになられました。

彼が世に残した達意の名歌詞、色彩鮮やかな宝石というべき珠玉の楽曲――『砂の王国』『MISERY』『新世界』『DAYDREAM』『ノスタルジア』
『自由への疾走』『密売アジト』『天国へのパスポート』『Refrain』『ANNIVERSARY』数え上げたらきりがありません……。

もちろん、これだけの楽曲に仕上がり、世に出たのは、他の四人のメンバーがいてくれたからです。

あなたたちの音楽を聴けて本当によかった。全員に心から感謝です。

私としては、瞬介さんには追悼曲として『自由への疾走』が似合う気がします。
今回は、最後にその曲を聴きながらお別れしたいと思います。

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