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キングのエゴ

1998年フランスワールカップアジア最終予選第3代表決定戦 日本対イラン戦。キングカズこと三浦知良はフリーキックのキッカーが中田英寿か名波浩と決まっていたにも関わらず、蹴ってしまった。その後、W杯初出場を決めた日本代表だったがカズは代表入りできなかった。10代で単身ブラジルに渡り、活躍するためにエゴを突き通したそのスタイルと、当時31歳のエースとしてのプライド、才能溢れる若手・中田英寿の存在、いろんな要因が彼の判断を鈍らせた。

あのときのFKは中田か名波が蹴ったほうがよかったとは思うが、そのプレーの前からキングカズの貪欲さが、かつてのそれとは違って精彩を欠くものになっていた。

結果的に代表落ちして26年、彼はポルトガルの2部リーグに在籍する57歳。相手選手が気を遣うくらいのコンディションだ。若い頃のエゴを捨てることが彼にとっての進化なのだとしたら、そのときは近づいているのかもしれない。

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