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2023年に観た映画

2023年に見た映画は劇場、DVDとネット配信含めて76作品でした。
4星以上の作品は次です。(2023年公開の映画というわけではありません。ネット配信が多いのでむしろ少し前のものが多いです。)

テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

 4.4
素敵な映画。
パリの街並み。オペラハウス。
ラップ、ストリートファイト、そしてオペラ。
自分の命を縮めてもシャトーラトゥールを飲むオペラの先生。
そして兄弟愛、地元の仲間たち。
素敵な映画が出来ないはずがない。
時間も短いし、ストーリーも冷静に考えると凡庸かもしれないけど見終わって感動の余韻は間違いなく残る。

生きる LIVING(2022年製作の映画)

 4.6
黒澤明のオリジナルを見ていないのでなんとも言えないが、西洋の映画にしては語らず鑑賞者に預けてくれる。
本人何も語らないのだ。しかし痛いほどその気持ちが伝わる。
折しも自分も癌になり、幸い初期で手術は成功したが、感慨深い。
与えられた残りの時間、自分のためにだけに生きて良いのか。本気で取り組めば不可能はないのでは?これから思い出しながら考えることになりそうだ。

RRR(2022年製作の映画)

 4.1
これぞエンターテイメント!
インドも植民地として鬱屈した時代があったのだろうが、それをコメディっぽく、真実を伝えながら観ているものをスッキリとさせてくれる。
これ、イギリス人はどう感じるのか気になる。
ダンスのパートは圧巻。戦いのシーンもCGをてらいなくガッツリ見せつけてくれるので思わず唸ってしまった。
インド映画の質の高さを改めて感じた作品。

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

 4.5
アンソニーホプキンスが好演。
あんなおじいちゃんになれるだろうか。移民として苦労して成功したからこそ言える社会の歪みに対するフェアな考え方を、悩める孫に伝えること。
1980年があんな年だったか?まだアメリカには差別があり、確かに地下鉄は落書きだらけだった。アーティストになりたい息子に、いい大学に入るために勉強しろという親。現代でもあることだろうが、この映画では昔も今もそんなに変わらないことを伝えながら、フェアに考えることや、自分の未来は自分で切り拓くべきことを伝えてくれている。
親には子供の個性を認めて正しいコミュニケーションをすることの再認識をさせてくれている。
さて、おじいちゃんはどうしようか?親とギクシャクした孫を正しく導いてあげたい。
そうだ、グッゲンハイム美術館に行ってカンディンスキーを観なければならない。

大阪少女(2020年製作の映画)

 4.0
面白しろすぎ。 少女が家賃取立ての仕事を、変人ばかりの住人を大阪弁でどつきながら。 時間忘れて楽しめます。

ドリームプラン(2021年製作の映画)

 4.7
素晴らしい内容だった。
これを見てからウィリアムス姉妹の活躍を見られたら最高だったけどそれは無理な注文。
父の強い教育方針によくグレずについてきたなあ。さらにお姉さんは学業優秀。
映画通りなら母が強かったと言うことだ。
コーチのincredible(あり得ない)と言う言葉に反発する父の気持ちはわかるな。自分が育て上げだわけだから、これが現実なわけだから。事実は小説より奇なり、と言うけど本当だ。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

 4.6
親子愛。
聾唖の家族に一人健常者の妹。歌が好きで音大を目指したいが、家族の漁師の仕事に不都合が。
娘のコーラスの発表会で歌は聞こえないけど、聴衆が感動する姿を見てその素晴らしさを感じる家族。映画ではその間、全ての音が消える。映画を見ている我々にもそれが伝わるように。素晴らしい演出。
これ、聾唖が背景に使われているけど伝えたいことは子供の未来が一番大事と言う家族の姿勢で、他の障害があったとしても同じなのだと思う。

パーフェクト・バディ 最後の約束(2018年製作の映画) 

4.1
韓国版、最強のふたり。
辣腕弁護士とヤクザ。
愛嬌のあるヤクザがいい味を出している。
弁護士が過去の懺悔をするシーン、心がかきむしられるような感情を覚える。
そして主人公の最後の笑顔がまたいい。良い時間を過ごせた。

茜色に焼かれる(2021年製作の映画) 

4.4
心に染みる作品。
ご主人が自動車に轢かれても賠償金をもらわずに生活に困窮。
厳しくても「まあ頑張りましょう」とかわす。しかし心の底に溜まるものが。
イジメにもあいながらこんな環境で育って息子は自分を見失わない。この子は間違いなく日本を背負う人間に成長するだろうと思う。

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

 4.0
キューバ危機の背景にこんなことがあったとは。
ソビエトの軍事機密を流し続ける政府高官と、ただのセールスマンのイギリス人。いつしか彼らには深い友情が生まれる。
しかしそれが仇となってしまった。
主人公の役作りが半端ない。特に投獄されてからみるみる痩せていく。事実に基づいたストーリーだからこそそこまでやらなくてはならない。
しかしロシアになっても彼の国は基本的に変わらない恐ろしさを秘めている。

アムステルダム(2022年製作の映画)

 4.1
最初なんてことのないストーリーかなと、古き良きアメリカの映像を楽しんでいたら..
いやはやとんでもないアメリカの歴史に遭遇。
日本は当然の如く第二次世界大戦に向かって行ったのかもしれないけど、アメリカにはこんな危険な種があったのか。
半分事実ですよね?だって当時の映像が最後にシンクロするのだから。

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

 4.4
本がとても良かったのであえて映画見てませんでした。
しかし誘惑に負けて観ることに。
小説では描ききれない墨絵を余すところなく映像で表現される。
小説を読んだだけでも墨絵をみたい!と感じたが、さらにその気持ちが強くなった。どんな芸術でも基本は大事だが、主人公は平常心で徹底してこだわる。著者がかなり勉強したことは小説で分かるが、映画監督も相当ななものだったろう。それが見てとれる。

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