ストロングゼロの記憶
結構缶チューハイ好きで、コンビニとかで見かけると、なるべく飲んでないやつは買うようにしてた。
どこにでも売ってるやつ。最近のコンビニはダブルレモンとイエローショットばっか置いてる。
シングルレモンはないのか?いらんけど。
実はこれ、「新」ストロングゼロなんよな。
大抵の食べ物の「新味」って、いうても風味アップとかフルーツ感アップとか、そういうマイナーチェンジじゃない?
ストロングゼロはね、違うのよね。
全然違うの。別物。
ポケモンで言うところのルビーサファイアとORASくらいじゃ足りない。
GTAやろうと思って買ったらシムシティだったくらいの違い。言い過ぎか?いや、言い過ぎではない。マジでそのくらい違う
旧ストロングは実質合法麻薬だった。ムチャクチャ嫌なことがあった日は、駅のKIOSKで350ml缶を買って、乗り換えの5分で全部飲んだ。
15分くらい経つと記憶が飛んで、気がつくと家のベッドで寝ていた。
飲むと視界が回って、重力が少し軽くなる気がした。それで何も考えられなくなった。おまけに薬品系のアルコールみたいな味がしてクソ不味かった。(当時は工業廃水って呼んでた)
当時は周りに飲める友達があまりいなかったので、大抵ぼっち酒だった(駅とか公園とかで缶チューハイ開けてるタイプのやべーやつだった)けど、クソまずい酒で一人で飲んだくれている様に妙な優越感を感じるような気もした。
精神的にしんどい時は、ストロングゼロ飲むと全部どうでも良くなって翌日には忘れた。
シャイニング(映画)で「酒は黒板消しだ」みたいなこと言ういうシーンあるけど、実際そんなような酒だった
ストロングゼロが新味になってから、「どうせ期待してないけど笑」という気持ちでコンビニで手に取った。
帰って開けて飲むと、
めちゃくちゃ美味かった
え?めちゃくちゃ美味い。まずあの工業廃水の臭みが一切消え失せてる。「車に入れたらワンチャン走るんじゃないか?」みたいなガソリン臭が、影も形もなかった。は???
正直めちゃくちゃ好きな味だし、なんなら万人受けする。しっかり9%あるから酔いたい時でも飲めるけど、普通に飲んでれば悪酔いはしない。そんな仕上がりだった。
正直嬉しい気持ちと裏腹に、謎のショックを受けた
こんな上品な酒になっちまったのか?お前もそこらへんの缶チューハイに迎合してしまうのか?
中学高校の時にニコニコのMADとかを見せ合ってブロリーのモノマネとかしてたオタク友人が、大学に行った途端ZARAとかで買った服(謎にいろんなところに切れ込みが入っている)に身を包んで、ピッカピカの泥団子みたいな靴履いて、耳用うどんでEDMとか聞いてる人になってたみたいな喪失感だった
もう会えないんだ...工業廃水とか言って馬鹿にしてた馬鹿ストロングゼロにはもう会えないんだ...あの頃には戻れないんだ...
こうやって人は大人になっていくんだな。また一歩七海建人に近づいたのかもしれない。
新ストロングゼロめっちゃ美味いからオススメ。
特にイエローショット(レモンスカッシュ風のストロングゼロ。黄色いラベルのやつ)飲みやすいよ。酔うけど。
ずっと誰かを探している。
君の名は。
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