温泉に行ったら怖かった話
幼少期、「存在しないもの」に対する恐怖が激ヤバであった。
子供が隙間だの暗がりだのを怖がるのは、物事を認知する力が発達している証拠だという話もある。しかし怖がる側としてはまったくありがたくもめでたくもない。
棚の隙間だの、ドアの向こうだの、カーテンの裏側だの。自分の中ではたしかにあのとき、「奴ら」がそこにいた。
そのおかげで毎晩、瞬きをせずに髪を洗い、カーテンをめくりたい衝動を抑えながら震えて眠るはめになった。
時は流れて大人になったわけだが、いまだに神様とか見えないも