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良い指導者とは

こんにちは。
先週末は、ローイングの試乗会と次世代トップコーチ育成プログラムのため、海の森水上競技場と戸田漕艇場へ行ってきました。


試乗会

今年2月に開催されたJapan Virtual Indoor Rowing 2024 に参加してくれたローイング未経験の方から「ボートに乗ってみたい」という希望があり、お手伝いに行きました。
通常、試乗会などでは初心者向きのナックルフォアというボートに乗ってもらうことが多いのですが、本人たっての希望で、初回から競技艇のダブルスカル(二人乗り)にトライしました。バランスや方向確認等、安全確保のため、私も後方シートに座り、水上に出たのですが、とっっっても寒かった。

私自身、海の森水上競技場で乗艇するのは初。コースにはカヌーのブイが張られており(レーン幅が少し狭め)、少し緊張しました。
現在コーチの立場ではないので、教えることには限界があったのですが、一緒にボートに乗り、水上での感覚(選手の感覚)をレクチャーできたのは良かったです。

次世代トップコーチ育成プログラム

2021年より、トップアスリートのセカンドキャリア支援として、将来ナショナルコーチを目指す人材の発掘・育成の支援を行っています。
久しぶりの対面開催とし、受講者の学習の進捗について、公益社団法人日本ローイング協会(JARA)強化委員会の森山強化戦略ディレクターよりフィードバックをいただきました。

説明する若井

受講者からはお互いの活動状況や目標について共有でき、やる気やモチベーションに繋がったとコメントがありました。また、JARA側としても本人の目標や今後のキャリアに関する意思確認の機会があることで、人材登用の選択肢が増えると期待しています。
今はプログラムの構築段階ですが、将来的には恒常的な事業としての実施や他競技への横展開も視野に入れています。

Athlete to Coach

プログラム参加者は、日本代表経験のあるトップアスリートであり、将来的にナショナルコーチを目指していく意思のある人を選抜しています。
競技者から指導者への移行(キャリアトランジション)では、指導・学習機会の確保、ライフイベント、心理的な課題など様々な障壁があると考えられています。

私は、ナショナルコーチに求める資質能力の中で、アスリートとしての実績や経験等はさほど重要でないと考えています。時に、アスリートだったことが弱みとなる可能性もありえます。
もちろん選手としての経験や実績は、その人の人生の一部でありますから、重要な要素ではあることは否定しません。

以前、ある受講者に対して「そのアドバイスは、指導者として言っていますか?競技者の視点で指導していませんか?」と質問したことがあります。また指導実績がほとんどない指導者が、競技実績を評価されて指導的立場に就いている現状もあります。

こうした状況は、指導者の資質能力を評価する指標が”競技成績のみ”となっていることが要因であると考えています。

Coachの役割

指導者の役割とは何でしょうか。Coachの語源「馬車=大切な人を目的地まで運ぶ」から、現代は「選手の目的達成を支援する」という意味で使用されるようになりました。
受講者には、アスリートという肩書を脱ぎ、指導者(ナショナルコーチ)としてのスキル、能力、マインド、フィロソフィーを確立してほしいと思います。

そのために、まずは同じような立場の指導者のコミュニティを作り、情報共有や議論を通して共に成長していくためのサポートをしていきたいと思っています。

参考情報

JARAホームページに掲載している当該プログラムの報告書
2021年12月:ナショナルコーチ体験プログラム
2023年  5月:実践型学習プログラム


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