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総合的な学習⇄特別活動、ちがいは?

1.総合的な学習とは?

 総合的な学習は、小学校で2002年4月に施行された学習指導要領により創設されたが、ゆとり教育の象徴的な時間とみられ「ゆとり教育が学力低下を招いた」などの批判を受け、2008年の学習指導要領の改訂に伴い、2011年度から年間105時間→70時間に削減された。
 現在の総合的な学習は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを「目的」としており、これは創設から大きくは変わっていない。
 総合的な学習は、各教科の学習で使用されている教科書がなく「児童・学校・地域」といった各校の有する環境要因や人的要因が学習活動に強く影響する。そのため、各校での取組も非常に多様で創造的なものとなり、その内容は枚挙にいとまがない。このように、総合的な学習は各校の特性を色濃く反映させた「多様で創造的な学習」であるといえる。

2.特別活動とは?

 特別活動は、1947年に 示された学習指導要領一般編(試案)の「自由研究」を源流とし、一人一人の創 造性を大切にし、個性を伸長させることを目的として取り組まれ、教師は後方支援という形で指導する方法がとられた。
 現在の特別活動は、「望ましい集団活動を通して人間形成を図る教育活動」とされている。「集団活動」という特別活動固有の「方法」を用いて、自主的、実践的な態度を育て、自己を生かす能力を養うこと=つまり、「人間形成」を図ることを「目的」としている。
 特別活動には、学級活動、児童会活動、クラブ活動及び学校行事があるが、いずれも「望ましい集団活動」を展開することが前提となる。学校行事には、儀式的行事、 文化的行事、 健康安全・体育的行事、 遠足・集団宿泊的行事、勤労生産・奉仕的行事の5つの内容がある。

3.「総合的な学習」と「特別活動」は、どこが・どう違うの?

 このように、時代背景も目的も違う2つの領域であるが、学校現場では「違いがよくわからない」といった声や、学校行事の準備を総合的な学習にあてている学校も見られるようだ・・・。
 どうやら、上述した学校行事と総合的な学習を混同して実施している学校があるように思われる。
 そこで、「総合的な学習」と「特別活動」をいくつかの視点で比較してみた。また、比較内容から、総合的な学習の要件を考えてみた。

4.まとめ

かんたんにまとめると以下のようになる。
・総合的な学習
  探究学習を通して、課題を解決する力を育成する領域
・特別活動
  集団活動を通して、人間形成を図る領域
・総合的な学習の設定要件
 問題解決的な学習を通して「探究的な見方・考え方」を育成する活動(探究学習)が展開されること。


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