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震災を機にキャリアチェンジ。オーストラリアへ。 Flying to Australia to change my career.

4月19日は私にとって特別な日。
8年前のこの日、新しいキャリアを切り開くべく、オーストラリア、シドニーへと飛び立った。

都内で会社員をしていた頃。

オーストラリアに来る前、
貿易商社マーケティング部で働いていた私は、
毎日海外のサプライヤーと連絡を取り合ったり、
日本の市場にまだ出回っていない商品の開発に関わったり、
それなりにやりがいのある、刺激のある仕事に携わっていた。
でも連日の残業、
満足とはいえない固定給、(年棒制だったので残業時間は反映されず。)
扱っていた商品の多くは決して健康的ではなくて(チョコレートシロップ、お酒類など)、
海外からの輸入品ということで、輸送のプロセスとカーボンフットプリントを考えると環境にも良くないわけで、
私はハッピーではなかった

環境のこと、健康のことを気にしていたので、
自分の倫理に反したことに自分の貴重な時間とエネルギーを費やしていることへの嫌悪感と罪悪感があった。

2011年震災が転機。

自分がハッピーでないことは自覚していたものの、
じゃあ具体的にどう変えたらいいのか、
代わりに何をしたいのかがわからなくて、
悶々とした日々を過ごしていた2011年3月。
東日本大震災が起きた。

オフィスで会議中だった私は、その日家には帰れず、
同僚の家で一夜を空かし、
さすがの日本、翌日には復旧した電車で家に帰った。
週末明け、会社に行くのが不安だった私は上司にメールで自宅待機して良いか確認。
けれど、会社からそういった指示はないから出勤するように言われ、渋々出社。
もちろん仕事は手につかず。

都内では思っていたよりも早く淡々と日常が戻ってきて、私のなかにはなんとも言えない虚無感が募っていた。

手に職をつけたい。

いつ何が起こるかわからない。
明日が当たり前のように来ることはないんだ。

歳をとってから後悔したくない。
具体的なプランはないけど、とりあえず日本出よう。

そう決めた。

そして、そこから色々調べ始めた。
偶然にも、オーストラリアで勉強をしたというマッサージセラピストの女性2人に同時期に会い、
マッサージセラピストとしてのキャリア、
そしてオーストラリア行きを決めた。

オーストラリアのことは正直あまり知らなかったけど、
治安が良くて、英語圏で、日本からさほど遠くなく、
気候も温暖、代替医療が普及している等などが決め手だった。

シドニーのマッサージスクールへ。

まず最初に降り立ったのはオーストラリア1の大都市シドニー。
ここで日本から申し込んでいたマッサージスクールに4ヶ月通った。

英語は日頃から仕事で使っていたけれど、
実際に英語圏で暮らすのは初めて。
しかも聞きなれないオーストラリアアクセント。

引っ込み思案で、人見知りな性格はまったくプラスにならず、
正直毎日不安いっぱい、どきどきだった。

家探し、
仕事探し、
公共機関の使い方、
英語での解剖学やマッサージの授業、
ほんと、不安で押しつぶされそうだった。

でもオーストラリアの多文化なところ、
みんなおおらかで、自然が豊かで、
何よりコーヒー文化が盛んでコーヒーがめっちゃ美味しいのもポイントが高くて、
オーストラリアにもっと居たい!という気持ちが募っていた。

さぁ次はどうするか。

最初のコース後、次のレベルのコースにも申し込んでいたものの、
なんとなく学校の雰囲気が好きでなくて、一旦日本へ帰ってワーキングホリデービザをぎりぎりで申し込むことに。
ワーホリ中は友人のいるゴールドコーストに5ヶ月住み、
初めてのマッサージの仕事を始め、
その後メルボルンに移り、中国人経営のマッサージ店で働いた。

正直なところ、どちらの職場も給料は良くなかった。
他に良い仕事も見つけることもできなかったので、
マッサージセラピストとしてのキャリアを歩みだしたばかりの私は、
とにかく経験が積みたくて、勉強のためと思って我慢した。

とはいえ、同僚は良い人ばかりで、
正直そこまで悪くはなかったし、同僚から色んなテクニックを教わった。

マッサージの技術は、トレーニングで学ぶというよりも、
経験を通して学ぶのがいちばんだとこの頃に実感。

アーユルヴェーダを学ぶため新天地バイロンベイへ。

さて、2013年終わり、ビザももうすぐ切れるというのに、
次のプランを模索していた。

わかっていたのはもう少しオーストラリアに残っていたい、ということ。

ただ、ワーホリ中にお金を稼ぐという狙いは外れ、
都市を移動したり、無職期間が結構あったり、給料ほんと安かったので実は貯金はあまり残っていなかった。

経済的にも精神的にも不安定ではあったけど、
日本にいた頃より明らかに気持ちが楽だったし、
まだまだオーストラリアで学ぶべきものがあると強く感じていた。

そんなある日、ひょんなことからオーストラリア最東端の町バイロンベイアーユルヴェーダを学べる学校があって、留学生も受け入れてることを知った。

アーユルヴェーダとはインド発祥の代替医療。
’ayus’(生命)の’veda’(科学、哲学)。
症状に対応する対処療法である西洋医学と異なり、
アーユルヴェーダは身体と精神(マインド)、スピリット、全てを包括的に見て、
病気の予防、いかに健康的で幸せな生活を送るかを追求する5千年以上も実践されている伝統医療学問。

マッサージをするのは好きだけれど、
健康を維持、向上の手助けをする上で、
マッサージはほんの一部分にしかならないと感じていた。
だからホリスティックに健康の維持を目指すこと、
そして、料理好きの私にとっては食事にも重きをおいたアーユルヴェーダの考え方はとても興味深く、魅力的に聞こえた。

色々調べたり悩んだ末、
大好きだったメルボルンを離れ、アーユルヴェーダを学ぶためバイロンベイへ。
2014年4月のこと。
※アーユルヴェーダについてはまた別記事にて。

5つ星高級スパで働き始める。

新天地に移ってから、本当に紆余曲折あって、
これはまた別の物語になるのでいつかの機会にとっておくとして、
2016年がまさにセラピストとしてのキャリアの転機。


世界的な賞をいくつも獲得している超高級5つ星スパGaia Retreat&Spaでの仕事をゲット!
バイロンベイの町からは少し離れ、牧場と緑豊かな丘を見晴らせ、
日常から離れたリトリート気分に浸れるスパ、ヨガスタジオなどを併設した宿泊施設。
バイロンベイに着いた頃は夢の夢のようであった場所で、
まさか自分が働けることがプレッシャーでもあったけど、本当に嬉しかった。

同僚はみな色んなテクニックと長年の経験のあるセラピストばかり。
高級スパなだけに、お客さんは会社の重要な立場にいる人や、ビジネスマン、セレブリティなどで、
最初の頃は緊張とプレッシャーで必要以上に疲れを感じていた。

しかも仕事はマッサージだけではなく、
パッケージに含まれるスクラブやボディマスクなどもやらなければいけなくて、
それをお客さんに説明するトークも始めの頃は毎回緊張で冷や汗もの。

⇑職場で確か2年ほど前に撮った集合写真。

とにかく向上心を刺激される環境で、
自分の技術向上のため、そして自分の好奇心を満たすために、
学校と仕事の傍ら、色々なワークショップや違ったスタイルのマッサージを学んで、
今では一番シンプルなリラクゼーションマッサージ以外に、ディープティシュー、Kahuna(カフナ)、アーユルヴェーダ式マッサージ、レイキ(霊氣)などを提供できるように。
※マッサージの種類についてはまた別記事にて。


毎日少なくとも1人からは「今までで受けたマッサージのなかで一番良かった。」とか、「人生で一番良いトリートメントだった。」とかいったお褒めの言葉を貰えるようになり、
なかには感極まって涙ぐむお客さんもいたりして、
自分の技術の幅が広がり深まっているのを日に日に職場で実感する。

今回、コロナ騒動に際してオーストラリア政府の規制によって、
実は3月終わりに職場は一旦営業を休止せざるを得ず、
私は見事無職に。。。

なにせお客さんの身体を触る、もろに他者と密着した仕事なので、
いつ仕事に復帰できるのかは全くもって未定です。。。
こればっかりは誰にもわからず。

夢は追い続ければ道ができる!

正直、セラピスト(ボディワーカー)として今のポジションに辿り着くまで、
たくさんの時間とお金とエネルギーを費やしました

費やしたお金は恐ろしいので計算したくないくらいだし、
流した涙の数、思い悩んだ時間は計り知れず。

苦労しなければ夢は叶わない、というわけではないけれど、
夢を追い続ければ自分の前に道はできると思う。
あとは自分の声に耳を澄まして、
自分が向かっている方向が本当に幸せに近づける方向なのか見極められるようになることも重要。
(これには前回の記事で紹介したジャーナリングが役立つ。)

それはまっすぐ続く道かもしれないし、
途中何度も廻り道をしなければ行けない道かもしれない。

そして、その道をそつなくささっと進める人もいれば、
ゆっくりと休み休みでないと進めない人もいる。

私の歩んできたこの道程が、最適であったか?というと正直それはわからない。
個人的には遠回りをしてしまった気がするけれど、
いまココに辿り着く前に経験したことすべてが糧になっていると実感できるから、遠回りも決して無駄ではないと声を大にして断言できる。

2020年、いまはヨガティーチャーになるためのトレーニングをしている私。
そして異なったマッサージのスタイルも練習中。

自己鍛錬、そして真理の追求に終わりはありません。

- kayla

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