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ジャズピアノアドリブ演奏の教科書 序章

このテキストは、私の教室の「ジャズピアノ入門1年コース」の原稿を元に作りました。
入門が終わると中級コースに進みます。

まったくの初心者が練習して、 
 「テンションを理解」
 「和音を使たアドリブ」
までを学習します。

セッションに参加して、それなりに上手く感じられるまでの技術を身につけます。

サビの部分では、テンションを含んだアドリブ、盛り上げたり重厚な音を出したい時は右手に和音を含める事が出来ます。

教える立場で不思議なことがいくつかあります。

 1 全くの初心者と言うのに、、


   初心者と言うけれども、それなりの知識はあるタイプ。
      
   一応アドリブは出来るけど、コードトーン中心。

   「基礎はいいのでオルタードの使い方を教えて欲しい」と言います。

   基礎中心のレッスンをしていると、1か月程度で辞めてしまいます。
   基礎の大切さが理解してもらえない。

 2 テーマは何度も何度も弾きます

   テーマを何度も弾く練習をします。
   素敵なフレーズがいっぱいあるのです。
   8分音符の弾き方の練習になります。

   殆どテーマ練習をしないで、「弾けている」と思っている人が多い

   アドリブするには、特別なやり方はありません。
   まずは、音符をきれいに弾く練習が必要です。
   テーマが弾けないとアドリブも弾けません。

 3 アドリブが8分音符や3連符ばかり

   2分音符や休符を多用するのがアドリブの基本。

   すごいフレーズをコピーして弾くのはいいです。
   でも、実際弾けなくて、心地よい演奏になってない。

   私のアドリブ法は
      優しいフレーズを使って
      意味のある音を使う
      (最初はコードトーンですが徐々にテンションにかえる)

   優しいフレーズと言うのが大事なんです。
   (複雑なフレーズがカッコイイアドリブではないのです)

さて、ここで質問です。

  テニス選手が、ボールを打つために走ってます。

    1 やっと追いついた時の、レシーブ
    2 余裕があって追いついた時のレシーブ

  どんな違いがあるでしょう?

  サッカー選手なら
   シュートするために走ってます。

    1 やっと追いついた時の、シュート
    2 余裕があって追いついた時のシュート

  どんな違いがあるでしょう?

  余裕があると色々な選択肢があって、成功率は高いですよね

  アドリブでも余裕あって弾いていると選択肢があります

  早くてやっと弾けるフレーズだと選択の余裕がないですよね

 最後に、アドリブを弾けるようになるには1年以上かかると思って下さい。

 3年位通って、自分のアドリブはこうしたいと言う気持ちが出てきたら卒業です。気に入った演奏家にレッスンをお願いするのが良い。その演奏家のライブにも行った方がいい。

本気でジャズピアノを身につけたいなら、沢山の練習が必要です。また、聴くことが出来ることも大事。(聞こえるでなく聴く)