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子連れWorkingAnywhere&パラレルワーク 地域とともに「余白・関わりしろ」をつくる>|LAC事務局 星久美子

LivingAnwyehre Commons(以下、LAC)では、「自分らしくを、もっと自由に。」を体現、体現しようとチャレンジしているユーザーや、そうした皆さんを受け入れる全国の拠点のコミュニティマネージャーを公式noteで紹介しています。
 
Commonsとは「共有地」であり、ユーザーの皆さんも、地域も、事務局も、コミュニティを「ともにつくる」仲間です。
 
プロジェクト責任者の小池の話はよく出るものの、LACの中の人って他にどんな人がいるの? どんな思いでプロジェクトに取り組んでいるの? という部分が見えないというユーザーさんの声も踏まえて、今回、中の人がどんな人か、どんなことをしているか、どんなことにチャレンジしているのかを紹介していこうと言うことになりました。
 
第1弾として、3月は3月8日の「国際女性デー」に合わせて、働くワーママ3人がそれぞれ記事を書くことにしました。

そもそも国際女性デーって?

1904年、アメリカ合衆国のニューヨークで、参政権のない女性労働者が労働条件の改善を要求してデモが起こりました。1910年にデンマークのコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で、ドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが、このデモの日を「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱したことから始まったそうです。
 
そこで、今回は、結婚や出産という転換期の中の中にある女性の「自由・自分らしさ」などをテーマにしていきたいと思います。

3月8日は国際女性デー。イタリアではミモザの花を贈り合う「ミモザの日」

中の人その1 ユーザーや地域の関わりしろを創る事業プロデューサー星はパラレルワーカー

この記事を書いている、LACの立ち上げメンバーで、事業プロデューサーの星と申します。
20歳の頃に「都会と田舎の橋渡し」をライフワークの軸に掲げ、グリーンツーリズム、移住や人材マッチング、関係人口創出、官民共創といったキーワードで、事業創出やコーディネートを行ってきました。
今は、LACの中では、自治体と連携して“関わりしろ”を創る事業の企画・コーディネートを担当しています。そのほか、地域活性化企業人制度を通じてLAC第1号拠点がある磐梯町役場にお声かけいただき、複業として磐梯町政策課プロジェクトマネージャーをしつつ(LIFULL公式複業)、3.11で被災した福島県の12市町村の移住支援センターの広報アドバイザー(個人複業)をしつつ、2人の子供の子育てをする母親と、4足のわらじを履いています。

ライフワーク


デュアルライフを通じて、家族も一緒に仕事をする皆さんと価値観をアップデート

パラレルワークもそうですが、2020年秋の育休復帰・磐梯町での複業が始まったタイミングで、東京と会津の二拠点生活をスタートさせています。詳しくは後述で記載しますが、以前から月に1-2回「子連れ出張」を実践してきました。家族や一緒に仕事をする皆さんたちのご理解・ご協力をもらって、共に価値観をアップデートしながら、子どもがいる中でのワーママのパラレルワーク&デュアルライフを実践しています。
また、そうしたライフスタイルに興味のある人たちが一歩目を踏み出しやすい仕組みづくりなどを自治体や組織とともに取り組んでいるので、今回はそうした取り組みなど紹介します。

「自分らしくを、もっと自由に」

LACの上位概念である「LivingAnywhere」には、「自分らしくを、もっと自由に」という理念があり、下記のメッセージが込められています。

人々を場所の制約から解放し、いつでも好きな時に、
好きな場所に暮らし、学び、働ける社会の仕組みを構築する
テクノロジーを活用して、考え方を新しく変えることでもっと豊かに暮らす事が出来るのではないか?
「定住」していることが最大の制約ではないか?
どこにいても生活のクオリティを落とすことなく自分らしく、自由に生きていく。

https://livinganywhere.org/aboutus/

新型コロナウイルスによる社会変革の加速は、ライフスタイル変革にも寄与しています。LACのサービスをリリースした2019年当時はフリーランスの方の利用が多かったものの、今では企業に所属しながら利用したり、大学生なども利用したり、利用シーンの幅が広がっています。
 
その一方で、テレワーク等によって、働く場・働き方のアップデートができても、子育て環境のアップデートはまだまだ十分ではなく、多くの働くお母さんは多くの制約に囚われているように感じています。

「LivingAnywhere」に通ずる、LIFULLのスローガン「しなきゃなんて、ない」

私は「しなきゃなんて、ない」という言葉と、社会課題から真っ向に向き合う社員が多いLIFULLという組織が大好きです。
実のところ、私は2006年に新卒でLIFULL(旧社名:ネクスト)に入って、地域コミュニティSNSの立ち上げに参画しました。そして、地域と都会の橋渡しLIFULLに出戻るタイミング(2017年)で、社名も変わり地方創生推進部の立ち上げから関わっています。
新卒で入った当初は300人も社員がいませんでしたが、「人々が安心と喜びを感じられる社会の仕組みをつくる」をビジョンに掲げ、今も向き合い続けて、様々な事業の創出にチャレンジしています。
世の中にある「こうあるべき」という既成概念に対して、LACは「しなきゃなんて、ない」を、共創型コミュニティで解決していく、プラットフォームであり、コミュニティだと思っています。
 
先の通り、子どもを連れてのユーザー利用はまだまだ多くありません。
子どもがいる場合の利用にはどんなことが不安・問題になるかというと・・

未就学児の場合)
「ローカルの民間一時保育の少なさ」
「里帰り出産以外での住民外の一時保育NG」
「移動」
「子どもが一緒にいる状態での効率的な仕事ができるか」
小中学生)
「授業についていけるか」
「行った先で学校に通えるか」
「子どもの意思を尊重した選択になっているか」
共通)
「移動は大丈夫? 現地の移動、現地までの交通費」
「行った先で怪我や病気をしたら?」
「食事は?」
 
上記の疑問に対する実体験の事例は下記にまとめています。

 
LivingAnywhere のコミュニティには、自分らしい暮らしを実践する多様な人たちがいます。
 
LIFULLに地方創生事業を立ち上げるから戻ってこないか、と声をかけていただいた時にも、ITを活用することで地方のお母さんたちの働き方を変えたい。自分自身、子どもがいる・いないでやれる仕事が制限されたくないので、場合によっては連れて行くことも検討したい。地域とのコーディネートバリバリ最前線で働きたい、と聞く人とってはワガママに受け取られそうなことを言っていました。
子どもがいることで働き方の選択肢を狭められたくない一方で、地域の教育力(=地域で子どもを見守ることの価値)を卒論のテーマにしていたこともあり、一緒に地域に子供を連れていくことで、多様な大人に出会多様な生き方や文化に触れることで、人生の選択肢を広げてほしいという思いもありました。
そんな想いを伝えると、当時の担当部長に「いいじゃん!やろうよ」、「連れてっていいよ」と言っていただいたこともあり、2017年に地方創生事業が立ち上がり、私は上の子だいだい(当時2歳・LACの中でのニックネーム)と、日本各地を回りました。
 
上記主張はしたものの、この働き方は自分のエゴだ。自分の主張だけを押し通すワーママ様にはなってはいけない、と割と気張っていた部分がありました。
仕事の推進のほか、子どもにとってもいろんな地域の人と出会い、自然や食を楽しんだりできたものの、できるだけ迷惑をかけないように、泣く子供を現地の一時保育を見つけて預けたり、会議中はつまらない想いをさせてしまったり、子供にとって良い経験だったかと言うと・・、きっとだいだいは手放しで楽しかった、という経験ではなかったと思います。
2歳から7歳になった今、子どもの視点でのLivingAnywhere/地域に通うことの魅力や大変だったことについて時々あれは面白かった、あれは寂しかった、など話すことも増えています。

なぜライフミッションに「都市と田舎の橋渡し」を掲げたか

きっかけは自身が小2の時に起きた1993年の「りんご台風」でした。天塩にかけた林檎の大部分が台風で落ちてしまい、林檎農家だった実家の祖父の悔し涙、地域の中では自死を選んでしまった方もいました。農家が泣かない時代を作りたいと思ったのが根幹にあります。
また、母がJA職員で女性部の事務局や、地域内の最初の直売所の立上げ担当の母の背中も大きかったと思います。農家は大変なだけで未来はないと笑い飛ばしていた農家さんは、直売所に来る消費者、都市部からも買いに来る人との交流で、「ここには何もない」と言っていた農家さんたちの意識が変わる瞬間に出会いました。
 
都市部との人の関わりで、当たり前すぎて気付きにくくなった価値に気づいてほしい。
そんな思いから、都市部に地域に足を運ぶきっかけを作りたいと思い、地域の情報を都市部の人に伝えられるポータルサイトを作りたい、マーケティングを学びたいという思いから、当時100人ちょっとだったベンチャーであるネクスト(現LIFULL)に入社しました。
しかし、やればやるほど、「手段だけ講じても、何を誰に伝えるか。そのためにやること」を本質的に地域と一緒に考える必要があると感じて、当時ボランティアをしていた移住系の地域活性の中間支援組織に転職をして、そこから9年ほど様々な切り口で、地域と都市の関わり方づくりに取り組んできました。

企業/LIFULLに戻って実現したいこと

いきなり移住は難しい。
そして移住希望の顕在層を奪い合っても、小さな市場を奪い合うだけ。
支援合戦か、立地や地域条件が良いところに人が流れる。
 
移住定住等の支援を行う中で、上記のような課題を感じるようになり、まずは地域に足を運ぶ・関心を持つ人の母集団を増やしたいと考えていました。
主な打ち手として下記の仮説を立てました。
①「ゆるく興味を持ってもらうこと」
②「仕事が移せる人に移ってもらうこと」
③「関心のない人に接点を持ってもらうため、仕事での関わりしろを作ること」が
特に、②③をやる団体が少なかったので、より企業ニーズに合わせたコーディネートができればと考え、新経済連盟の理事でもあるLIFULLでチャレンジしたいということで、地方創生事業を立ち上げるから戻ってこないか、と声をかけていただいたことで出戻ることを決めました。

子育ても仕事も両立したいママは地方にだっている。

移住のコーディネーターをする中で、移住したくても決断できない理由の大きな1つが「(魅力な)仕事がない」でした。
 
地方創生事業部の立ち上げに参画し、地域活性において何の実績もなかったLIFULLが得意領域を活かした事例が作れるように、いくつかの地域での連携協定の締結、プロジェクト創出を担ってきました。最初に取り組んだのが、福井県鯖江市の空き店舗を活用してできた鯖江でのLIFULL FaM事業の進出でした。
子供を連れて出勤できる一軒家オフィスで、子育てもITを活用した仕事の両立ができる場は、地域でもできうると考え、担当子会社社長、担当部長、現地コーディネーターや市役所の皆さんなどとプロジェクトを創出しました。

福井県鯖江市の子どもを連れて出勤・仕事ができるオフィスLIFULL FaM

LivngAnywhereは多様で、みんなの自分らしく、を一緒に考えられる場である

LACのプロジェクトに参画することになったタイミングで、一般社団法人LivingAnywhereが主催する「LivngAnywhere Week」という1週間のテレワークイベントの運営に関わることになりました。
上司が小池に変わるため、ワーママの働き方をアップデートしたいので子供を連れて参加したいと伝えると、「LivngAnywhereは、大企業も、スタートアップも、学生も、シニアも、ママも、子どもも、いろんな人がいる多様な場所になる。子どもがうるさい、といいう人はLivingAnywhereのコミュニティとは逆に合わないから大丈夫。いいじゃん、連れてきなよ」と、二言返事でOKが返ってきました。
 
これまでの出張では現地の保育園に預けられるか、一緒に行政との打ち合わせや地域を実際に回ってきた息子。イベントの企画の運営に、食事の手配、行政との調整など、いろいろあって私も子供を置いて場所の出入りをしていたのですが、当時3歳の息子は変わるがわるいろんな人に遊んでもらっていました。

LivingAnywhere weekで地元の出張シェフの料理をみんなで楽しむ

1週間の滞在が終わると、これまでで一番長期の滞在だったのにも関わらず、息子だいだいは「出張、LivingAnywhereは楽しい! 次はいつ?」と言ってくれたことが嬉しくて泣きそうになりました。
 
いろんな大人がいる場に、子どもが遊んでいる、声をかけてくれる。
時にダメなことはダメと言ってくれる。
「地域の教育力」がまさに体現できる場でした。

今も、上の子だいだいも、下の子あおも、時に一緒に地域に足を運び、ユーザーさんや地域の皆さん、現地でできたお友達といろんなことに取り組んでいます。

近隣の西会津町の皆さんのDEEP集落 田んぼでこたつに参加。
磐梯・会津での大人や同世代との交流

チャレンジしてきたこと・これからチャレンジしたいこと

心地良い場はともにつくる

多様な場所がLACである、と宣言することは簡単です。
ただ、より多くの人たちにとって過ごしやすい空間・コミュニティであるためには宣言するだけでは不十分です。
 
共に共生できる場にしていくためには
「その場はどう言う場所なのかと定義して伝えること」
「その空間が多様な人にとって居心地で良いものであり続けるために、
 子どもがいる人も、そこで過ごす人も、その場をコーディネートする人も、話し合い、共に具体的なイメージをする対話がとても大事」
だと思っています。
 
これまで「出張フリーランス保育士さんと子どもとAnywhere 」や「出張モリウミアス」というイベント型の親子ワーケーションのトライアル企画を企画・コーディネートしてきました。

 親子がワーケーションする上での魅力や課題の可視化、
それを踏まえて、地域やユーザー、コミュニティとトライしたいことなどを言語化して、新たなチャレンジに繋げる、そんなことをしています。
これからも、丁寧にユーザーの皆さん、地域の皆さん、子どもがいる人、何よりも子どもたちにも参加してもらって、拡張家族などを切り口に、多様な人とって居心地の良い場所をつくる対話の場を作っていきたいので、よろしくお願いします。

「新しい地域の関わりしろを、仕掛ける」

単純に地域に行っただけでは、関わりしろ(地域の余白)に飛び込める人は少ない。
そこで、場の運営をするには、(コミュニティマネージャーほか)地域の人の顔が見えることのほか、お互い顔が見える仕掛けが不可欠です。

これまで企画・設計してきた事業

中間支援組織での経験を活かして、上記のような事業を行政に提案して事業化をするなどをしてきました。(2、3番目は事業提案・予算化の部分を担当(その後第二子の産休・育休へ))
 
全国の自治体に先駆けて、地域のデジタル化に取り組み始めた磐梯町。
第2子(あお)の育休からの復帰のタイミングで、デジタル化・官民共創を進めようとする磐梯町に「プロマネがいない!」という相談がLIFULLに入り、複業での地域活性化企業人の着任が決まりました。
磐梯町も「いつでもどこでも誰とでも」つながったり、仕事ができる仕組みづくりを掲げています。もちろん現地に行ったからこそできること、築けるものもありますが、テレワークを活用して業務に参画できることで、磐梯町の業務も、LIFULLの業務も時間で区切ってできるので、柔軟に働くことができています。
 
地域の関わりしろをつくるには、地域との連携が不可欠です。
また、地域ならではの特色を生かして「関わりしろ」をつくるには、地域のテーマ設定があると、より具体的な仕掛け方ができます。特に磐梯町は、官民共創や外部人材登用によるデジタル化などを進めようとしていたので、そうしたことに関心のある人を呼び込む施策を連携してやれるように、地域サイドでの事業企画なども行っています。

ママになっても地域と仕事する、親子ワーケーションは似ているようで異なる、いつかその境界をなくす

テレワークも活用して、自分の仕事を地域に持っていって仕事をして、勤務時間外や週末は家族と一緒に地域との交流や体験を楽しむ。
それも1つの形だと思う一方で、「ママだって、自分らしい生き方として、地域と共にチャレンジする」と言う選択肢をしたい人にはできる世界を作りたいと思っています。
 
時代も変わりつつあるけれど、まだまだ母親中心の子育ての家庭が圧倒的に多い。周りには家事に育児に仕事にマルチタスクをこなす尊敬できるワーママさんも多いと感じています。そうした皆さんは、地域に圧倒的に不足しているプロジェクトマネージャー・コーディネーターになり得るのではないか、と個人的には妄想しています。
 
単なる親子ワーケーションだけではなくて、自信を持って働くこと、地域と関わること、子育ても両立できる仕組みを、地域と共に作りたい。
例えば、ふるさと納税の返礼品で第二住民票やデジタル住民票があれば、本来住民しか通えなかった保育園に預けられやすくなったり、区域外通学制度がやりやすくなったりするような仕組みを、地域の視点も踏まえて、仕組みづくりをしていきたいなと思っているので、これも興味がある地域の皆さん、ユーザーの皆さんと企画会議をしていきたいです。

移動する子どもたちにとって、笑顔でいられるLACを子どもたちと作りたい

企業・地域共創ラボという、地域と共創する企業コミュニティにLIFULLも入っています。
https://localventures.jp/local-r-d-center

そこで、まさに地域と仕事をしながら子育ても両立する日本郵政の
ローカル共創イニシアティブ事業を担当する若手女性部長さんと、この働き方、移動は子どもたちとって幸せか?と言うと問いを立てました。LAC館山で合宿企画を立て、課題分析、本人・企業・地域がそれぞれどんなことををやったらいいかを話し合ったりしています。

そこで、この規格で初めて子どもを連れて仕事に出てみたワーママさんや、親の出張に連れていかれる子どもたち(小5、小2、小1)にも聞いてみました。笑

子どもとWorkingAnywhereを一緒にしてくれている子供たちへのヒアリング

地域の子供と混じるのも楽しいけど、移動や地域に行った先でのあるあるを共有できる子供たちは、一緒に旅する子供の仲間が増えたと喜んでくれていました。

旅する子供たちLivingAnywhere会議などもやってみたいなと思っています。
(移動の楽しみ方、勉強、友達の作り方など、子供達目線でのTIPSまとめなど)
 

と、ユーザーや地域の皆さんと対話をすることで、共につくりたいことがたくさんあります。
関わりしろの仕掛け方などを考えたり事業化するのは得意ですが、何のために、何をやるか、どうやるかなどについては、みんなが共感できるものをつくりたいので、そうした場づくりの運営をユーザー参加型でぜひやっていきましょう。
 
どうぞよろしくお願いします!


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その3 親子でワーケーションしてみたらこうなりました|LAC事務局 豊田彩乃
 


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