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女性ホルモンの役割~女性の健康について考える~

大学院の課題と、介護で、ちょっと記事を上げるのが遅くなってしまいました。

来週末、大学院の集中スクーリングで、教授の目の前で、模擬健康セミナーをやらなくてはならないのですが、数年前に受講した、NPO法人 HAPと大塚製薬が共催している、ヘルシーエイジングサポーター養成プログラムで学んだことを発表しようと思っています。

そこで、今回は女性ホルモンについてです。

2002年ごろ、わが国では女性外来開設への動きがあり、学会でも性差に着目した疾患やリスクの洗い出しが行われました。医療の現場に性差の概念が取り入れられたことから、健康経営銘柄の選定基準と健康経営優良法人の認定基準の項目に「女性の健康づくり」が追加され(2019年)、社会全体が「女性の健康」に関心を寄せるようになりました。これは、社会でも女性が活躍する場が広がったことと大きく関係しているように思います。

女性ホルモンとは?

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女性の健康について語るとき、どうしても欠かせないのが女性ホルモンです。女性ホルモンは、エストロゲン’(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類です。それぞれ異なる働きをするので、一定の周期でそれぞれの分泌量のバランスを変化させながら女性の心と体に作用しています。

・エストロゲンの働き

エストロゲンは、妊娠の準備を進めるホルモンです。主に生理後~排卵前にかけて多く分泌されます。卵胞から分泌されるエストロゲンの働きによって卵胞は成熟を続けてピークを迎え、受精に備えます。同時に受精卵が子宮内膜に着床しやすいように、厚みのある子宮内膜をつくります。エストロゲンは他にもいろいろな働きがあります。女性が、適度な体脂肪で、丸みを帯びた体型であるのも、エストロゲンの作用によるものです。また、自律神経を活発にすることで、体内の機能が円滑に働き、心身を安定させる働きもあります。自律神経が活発になると、皮膚の血流が改善されるため、お肌の調子も良くなります。皮膚のコラーゲンを増やし、保湿効果を高める作用もあります。さらにエストロゲンには、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすことで、血管内に溜まったLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を取り除くため、若々しい血管を保ち、動脈硬化を予防する働きもあります。また、骨にカルシウムを蓄えるのもエストロゲンの作用によるものです。

さらに、エストロゲンは、食欲を抑え、脂肪の代謝も促すので、分泌量が多い生理後から排卵前までは、ダイエットの効果が現れやすいです。

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・プロゲステロンの働き

排卵後の卵胞は、黄体化ホルモンLHによって「黄体」となりますが、この黄体から分泌されるのが、プロゲステロンです。プロゲステロンの最も重要な役割は、受精した時に妊娠の継続を助けることです。

まず、子宮内膜を厚い粘膜組織に変えて、受精卵が着床しやすい環境を整えます。卵子が受精しなかった場合はプロゲステロンの分泌が減少し、子宮内膜は剥がれ落ちます。これが月経(生理)です。受精が成立した場合は、胎盤ができるまでの間、卵巣の機能を高めていく働きをします。

また粘着性の高いオリモノを出し、外部から細菌などが侵入して感染症を予防します。プロゲステロンには体温を上昇させる働きもあります。一方、プロゲステロンはPMS(月経前症候群)による心身の不快な症状を引き起こす原因であることがわかっています。体内に水分を溜める働きにより体がむくみ、血管を拡張させ、骨盤に血液を溜めこみ、血流が悪くなります。腸の蠕動運動を低下させ、腹部の張った感じや便秘、食欲不振などの症状を引き起こします。

プロゲステロンにも肌の保湿を維持したり、皮脂の分泌を促すことで肌を守るといった働きもあります。エストロゲンは神経を刺激し、頭痛などの痛みを引き起こすことがありますが、プロゲステロンはエストロゲンの働きを予防する効果があります。

月経の仕組みと月経周期

女性のカラダはおおよそ月に1回の周期で、妊娠に備えて卵子が育ち、受精卵のベッドとなる子宮内膜を着床しやすい状態に整えます。月経(生理)は、この子宮内膜がはがれ落ち、それにともなって出血が起きる現象のことです。

・卵胞期 脳からの指令で卵巣内で卵胞が育ち、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増加。子宮内膜が厚くなる。基礎体温は低体温期。

卵胞期は心身が安定し、体調が良くなります。自分のやりたいことに制約をつけず、思いっきり楽しむ予定を組みましょう!ただし、無理のしすぎは禁物!体温が低いので、カラダを温める食材をとるようにしましょう。

・排卵期 卵胞が十分に育ち、エストロゲンの分泌量が最大になる。脳からの排卵の指令により、卵胞から卵子が放出される。

妊娠希望であれば、タイミングをとる排卵期はとても大切な時期です。排卵をスムーズにするため、血行が良くなる生活を意識しましょう。

排卵は夜に起こることが多いので、早めに休むようにしましょう。

強いストレスを感じた時に生理が遅れてしまったことはありませんか?ストレスを抱えていると排卵も遅れてしまうので、この時期はゆったり過ごすようにしましょう。


・黄体期 排卵を終えた卵胞が黄体に変化し、プロゲステロンを分泌。卵子と精子が受精すれば、作られた受精卵が細胞分裂を繰り返しながら、子宮内膜への着床を始める。また、プロゲステロン分泌によって基礎体温が上昇する。

プロゲステロンの作用によって、気持ちが落ち込みやすくなったり、腹痛や腰痛、頭痛、吐き気、めまい、むくみ、便秘、乳房の張り、肌荒れなど、PMS(月経前症候群)の症状があらわれる人もいます。

むくみやすい時期なので、血行が悪くならないように、特にデスクワークの方は、1~2時間に一度は立ち上がって体を伸ばしましょう。ひざ掛けなどを活用し冷やさないようにすることも大切です。

この時期は、どうしても体調が優れないことが多くなります。
「この時期だからある程度は仕方ない」と割り切りましょう。自分に合った方法で気分転換をはかり、うまくストレスを発散しましょう。
ストレスだけでなく、睡眠不足や過度な疲労もホルモンバランスが乱れる原因になります。特に黄体期は、眠気やだるさを感じやすいので、あまり夜更かしせず、良質な睡眠をとるようにしましょう。

・月経期 受精卵が着床しなかった場合、厚くなった子宮内膜がはがれ落ち、月経として体外に排出される。

女性ホルモンの分泌量が低下し、体のさまざまな部分に不調が出やすく、体の抵抗力が弱くなります。デリケートゾーンの不快感などからストレスも溜まりやすく、精神面で不安定になることも。生理中はできるだけゆっくりと過ごしましょう。

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女性ホルモンが正常に働いているのであれば、毎月、コンディションが良く頑張れる時期と、コンディションが悪く頑張れない時期が訪れます。
女性であれば、どうしようもないことです。
大切なのは自身の月経の周期を知り、身体に起こる自然な変化に合わせて生活することです。

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