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子離れ

子育てが始まって20年くらいずっと自分の心の問題に取り組んできた。
自分がされた子育ての方法が随分とおかしいのは気づいていた。
同じような親になりたくなくて、「同じようにならない」と
決めたけれど、では「どうなれば良いのか?」が分からなくて。
ずっとそれを探してきた。

今は、虐待回復プログラムみたいなものもあって、
そういう場所に繋がれば「どのように子供に接したら良いか」
教えてくれたりもするらしい。

私が子育てを始めた20年前はそういう場所もなかったし、
そもそも親のどの部分がおかしいのか、良く分かっていなかった。

肉体的暴力があったので、それはおかしいことは分かっていたし、
大学生になった頃でも制限が厳しすぎて周りにドン引きされたので、
制限のありすぎる家庭なのは分かっていたけれど、
問題の全容を把握できていなかった。

自分の心の問題に取り組む中で、
「毒になる親」という本を読み、本に出てくる7種類の
毒親の内、
・神様のような親      ・残酷な言葉で傷つける親
・義務を果たさない親    ・暴力をふるう親 
・コントロールする親
の実に5つもに自分の親が当てはまることを知った。

知るだけで変われることもあるけれど、知るだけでは変われず
、自分の心の奥底を見つめ自分が持っている価値観(ビリーフ)を
知り、それを書き変えなければ、行動を変えられないものもある。

認知行動療法やアンガーマネージメント、内観法などを学んで、
行動の前に自分が心で何を思っているかに気づく練習をずっとした。

長い間、私の中にはどうしてもはずすことの出来ないビリーフがあって、
その地雷を子供が踏むと、激しく怒ってしまうことがあり、
それを止めたいと思っていたのだけれど、数年前にそれをはずせた時、
子育てでずっと行きつきたかった場所にやっとたどり着けた気がした。

その時から自分はまた大きく変わったと実感しているし、
その時の気づきがあって初めて
「子供を一人の人格として尊重する」ということがどういうことなのか、
身をもって実感できるようになった。

長女と10歳近く離れている下の子二人との関係は
とても良いけれど、未熟なままの自分で子育てをした
長女との関係は戻らない。

我が家の場合、親子関係の学びをする中で
母と長女の発達特性にも気づき、
問題はさらに複雑だということにも気づいた。

また、note繋がりで知ったこちらの本や↓

オススメです。


最近見る精神科の先生がやっているYoutubeを
見たりする中で、毒親問題や虐待は
前の時代の社会の在り方のバックグラウンドを
多分に背負っているんだなということにも気づく。

ここまで多面的に(?)自分の育ちと
親子関係を捉えるに至ったんだから、
もう、ここで子育てについて思い悩むのは
辞めにしようと思った。

先ほど紹介した本のあとがきに
こんなことが書かれている。

「許さなくても、許されなくても、幸せに生きていい」
これはすべての人を勇気づけるメッセージだと思います。
龍たまこ

『99%離婚 離婚した毒父は変われるのか』

私自身は私が就職してから変っていった父を赦しています。
自分が親の影響を取り払おうとして、自分の心の奥底と向き合い、
考え方や行動を変えようとする中で、「変わる」ということが、
どんなに苦しさや大変さを伴うことなのか知ったから。

父が変わったということの裏には、
父なりの悩み苦しみがあったんだろうということが
分かるから。

育っていく中で刷り込んだ価値観を洗い流し、
新たに書き換えていく作業は思いの外大変で、
時間と練習を必要とする作業です。

最初の子である長女を育てる上では、
自分の親のような振る舞いが出てしまう場面も
沢山あったでしょうし、
或いは長女の発達特性に気づき受け入れて、
対応を取っていくということが充分に出来たとは言えず、
長女としては自分の受けてきた扱いを
「許せない」と思っていたりするのかもしれません。

ですが、「許せなくても、許されなくても、幸せになっていい」

長女が20歳になり、間もなくこの家を出て一人暮らしする
このタイミングに、私も「良い子育てをするため、ではなく、
自分のこれからの幸せな毎日を作るため」にこれからの時間を
使おうと決めました。

過去が未来に進むスピードを阻む足枷となっているならば、
それをはずすことに取り組まなければいけませんが、
幸せは未来に作っていくものです。

そして、自分の幸せの責任は自分にあるもの。
親だって子を幸せにしてあげることはできないし、それが親の仕事でもありません。

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