体と薬と健康と・・・第3話 片頭痛
健康コラム『読み物サプリ』。
第3回目は片頭痛のお話し。
最近、低気圧で頭が痛いという話もよく聞きます。
-片頭痛-
「片頭痛」ってご存知ですか?
「片頭痛」は、何らかの理由で、
脳の血管が急激に拡張することで周囲の神経を刺激し、
その刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張することで、
ズキズキとした心臓の鼓動に合わせたような(拍動性)痛みを生じる頭痛です。
主に「こめかみ」から「目」のあたりが発作的に痛み、
痛みの発作は、3~4時間、長い場合は数日間続きます。
片側に起こることが多いので「片頭痛」といわれますが、
両側が痛むこともあり、
痛みが起こると、光や音、においに敏感になるのが特徴です。
「片頭痛」はなぜ起こるの?
実は、まだ原因は明らかには解明されていませんが、
完全主義、努力家、神経質な性格の方がなりやすいと言われています。
また、体質やストレス、過労、寝不足、女性ホルモンの変動なども誘因になったり、チーズやワイン、チョコレートなどの特定の飲食物が片頭痛の誘因となったりすることもあるようです。
具体的にはどんな症状があるの?
発作的にひどい頭痛が片側にあらわれて、数時間から2~3日間持続するので、日常生活に影響を及ぼすこともあります。
典型的な片頭痛では、頭痛に先立つ症状として
目がチカチカしてギザギザした光が見えたり、
閃輝暗点(せんきあんてん)を伴うことがあります。
※ 閃輝暗点が起こらない片頭痛や、起きても頭痛にならないケースもあります。
多くの場合、この閃輝暗点が数分から数十分程度続き、治まった後に片頭痛がおこることがあるため、”片頭痛の前兆”のひとつとされています。
「片頭痛」の対処法
家で簡単にできる対処法としては
部屋を暗くして寝たり、痛む部分を「アイスパック」や「氷」などで冷やすと血管が収縮して痛みの軽減に役立ちます。
カフェインも良いので、コーヒーなどもおススメです。
入浴やマッサージなどは血管を拡張させてしまい、痛みが増すので逆効果になるんです。
片頭痛は、
『冷やすのはOK! 温めるのはNG!』
と覚えておきましょう。
また「鎮痛剤」などの服用も症状の軽減に役立ちます。
ドラッグストアで販売している鎮痛剤の成分としては、
「片頭痛」には「イブプロフェン」が一般的ですが、
ピリンアレルギーのない方は、ピリン系の鎮痛成分「イソプロピルアンチピリン」も効果的に症状を軽減します。
-緊張型頭痛-
ここまで「片頭痛」について触れてきましたが、
実はもうひとつ一般的な頭痛に、「緊張型頭痛」というものがあります。
こちらもドラッグストアなどで販売している頭痛薬で対処可能なので、確認してみましょう!
「緊張型頭痛」ってなんですか?
「緊張型頭痛」は、
頭の骨(頭蓋骨)を取り巻く筋肉や、頭の横の筋肉、首や肩の筋肉が緊張することで、その部分の血流が悪くなり、筋肉内に老廃物などがたまってしまいます。
そして、その周囲の神経が刺激されて「頭痛」となって現れます。
「緊張型頭痛」の主な症状は?
肩こりや目の疲れなどを伴って現れることが多く、
後頭部から首筋を中心に頭全体がギューッと締め付けられるように痛みます。
吐き気や嘔吐などの頭痛以外の症状は現れないのが通常です。
鎮痛剤などを服用すれば、基本的に痛みは治まりますよ。
一般的には数時間で治まる場合が多いですが、慢性化して数か月続く場合もあるようです。
対処方法は?
無理な姿勢や長時間のパソコン使用などによる、一種の筋肉疲労でもあるので、”温めてコリをほぐす”ようにマッサージや蒸したタオルなどで温めて血行を良くすることを心がけましょう。
また、軽いストレッチ運動などで筋肉のコリをほぐすようにするのも効果的。
痛みが辛い場合は、ドラッグストアで取り扱いのある「鎮痛剤」を利用すると良いでしょう。
成分としては「イブプロフェン」が、炎症を鎮める効果も高いのでおススメ!
-片頭痛と緊張型頭痛の違い-
-その他の頭痛-
ここまではドラッグストアの鎮痛剤で対処できる、「片頭痛」と「緊張型頭痛」を見てきました。
しかしそれ以外にも、「頭痛」の種類はいろいろとあるんです。
まず、原因となる他の病気がなく、
くり返し起こる慢性頭痛として、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発性頭痛」 「かぜに伴う頭痛」などがあります。
これに対して、他の疾患が引き起こす頭痛として、「クモ膜下出血」「脳腫瘍」「髄膜炎」「緑内障発作」などがあります。
こんな頭痛は要注意!
鋭く強い痛みや、突然痛みが始まり徐々に強くなっていく痛み、
頭や体にしびれを伴ったり、吐き気や嘔吐がある場合はすぐに病院に行ったほうがいいでしょう。
いかがでしたでしょうか?
今回は(今回も?)少しマニアックな部分もあったかもしれませんが、
「頭痛」は一般的な症状で軽くみられがちです。
しかしその元には、重大な疾患が隠れていることもあるので注意しましょう。
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