プロジェクトアイコン

 昨年3月に書いた時は記憶が生々しくて公開しないまま放っておいたのですが、時が経ち、目の前の課題が山積みの今となってはささやかで可愛らしい思い出ですらあるので、少し整えて公開します。

 昨年3月、幼稚園謝恩会の企画立案遂行という半年がかりのプロジェクトを完了しました。
 これはフラットな園風の幼稚園のなかに一人「ママカーストの上位」を自認する人が入った(例えるならハリー・ポッターのハッフルパフand/orグリフィンドール寮にスリザリン寮生が一人入った)ときにどうにかしてwin-winの関係をつくれた、という話です。

 プロジェクト開始直後に、司会のスキルをお持ちということである方がチームに加わりました。彼女については噂が噂を呼んでいるような状態でした。
 そこで老練な(?)メンバーが情報収集をし、「傾向と対策」の基本方針を立てました。
「誰についても学歴を話題にしない(彼女のコンプレックスを刺激しないため)」
「お互いの子どもの話題は用心する(優劣づけに相当することは厳禁)」
「悪口や仲間外しのようなことが始まったら話題をそらす」
「一対一で話をしない(必ず3人以上で話す)」
「こちらを味方として気持ちよく仕事してもらうため、できるだけフレンドリーに接する」
 他に、彼女が内部の悪口を言った時に備えて他チームとの連携を密にとりました。進捗をメンバー以外にもオープンにし、良い出来事について積極的に話題にしました。また過去に彼女とトラブルのあった人に状況を丁寧に説明しました。
 こういった働きかけを「ポジティブ作戦」と名付け、彼女以外のチームメンバーが不安を感じた際に声をかけあいました。

 はじめは彼女の実力をそっと探りながらの仕事でしたが、徐々に知見と遂行の気概を示してくれたことからプロジェクト全体の雰囲気が明るくなりました。
 そしてプロジェクト終盤でチームの評判が高まるにつれ、彼女の他チームに対する評価がきつくなりました。が、その頃にはメンバーが全体を把握していたので、適宜いなすことができたのでした。

 全てが成功裡に終わった今、よく分かります。彼女への対策として日々真剣に細部に注意を払ったことで、チーム内外の課題を早期に発見し必要な手だてを余裕をもって打つことができた、それこそが成功の秘訣だったのだと。彼女はわたしたちにとって、反面教師とも少し違う、特別なアイコンとなったのでした。

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