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Hej! Laere vol.39 学びの旅はつづく 〜産総研デザインスクール6期生が修了しました!

Laereが定期的にお届けしているニュースレター『Hej ! Laere』をダイジェスト版で公開しています。本ニュースレターは、2024年2月27日に配信しています。

 産総研デザインスクール 6期が修了しました!

「社会がほんとうに求めるものを探求し、人々を巻き込みながら新しい未来を創る『共創型リーダー』」を育成する産総研デザインスクールでは、日本社会に必要なインスピレーションを探求するために欧州視察を取り入れてきました。今年度は、オーストリア・リンツで9月に開催されたメディア・アートの祭典「Ars Electronica(アルス・エレクトロニカ)」への視察をコロナ禍以降初めて復活することができました。アルス・エレクトロニカにつづく北欧視察ではデンマークの「最も刺激的なビジネススクール」KAOSPILOTへの訪問や、デンマークの元文化大臣Uffe Elbæck氏との対話、Danish Design Centerへの訪問など、10日間に渡る視察を実施。さまざまな変化の兆しを獲得して、自分たちの組織やプロジェクトへと活用する視点を養いました。

コロナ禍以降、オンライン授業が多かったスクールに対面授業が増えたことも、今年度の大きな変化でした。8ヶ月の学びの旅を修了した6期生は、それぞれ共通善を見つけ、産総研デザインスクールで得た学びとリーダーシップを糧に、それぞれの組織で「共創」に励み続ける予定です。これからも弊社は、修了した受講生の活躍を応援していきたいと思います。

産総研デザインスクール6期修了式のようす

Voice from Finland

Moikka!(こんにちは!)フィンランドのアアルト大学に留学しているえりかです。
前回のニュースレターでは、「フィンランドの食のあれこれ」について紹介させていただきました。今回は、私が在籍している修士課程Collaborative and Industrial Design(CoID)の同級生で、現在京都工芸繊維大学に留学中の友人、イルッカ・ヴィルヤンマーさんにお話を伺いました。

お話を聞いた人【Ilkka Viljanmaa(イルッカ・ヴィルヤンマー)】
フィンランドのヤラスヤルビ出身。2018年にアアルト大学デザイン学部に入学、現在は同大学のCollaborative and Industrial Design(CoID)修士課程に在籍。2023年9月から、京都工芸繊維大学デザイン学部に交換留学中。

― 昨年の9月から京都工芸繊維大学に交換留学されていますが、どうして日本に留学を?

イルッカ:中学生の頃に日本のアニメや漫画、音楽などのサブカルチャーに触れて、日本文化に興味を持ち始めました。大学生になってからは日本語の勉強を独学で始め、ずっと日本に留学したいと考えていたので、今回京都工芸繊維大学に留学できて本当に嬉しいです!

日本とフィンランドのデザイン思考やデザインプロセスの違い、そして日本のUI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)デザインに興味があったので、京都工芸繊維大学のデザイン学部に留学することを決めました。

多言語と多文化がコンセプトのMcafé(京都工芸繊維大学)で書き初め体験

― 留学先では、どのようなことを学んでいるのでしょうか?

イルッカ:主にサービスデザイン、ソフトウェアプロトタイプ、テクノロジーと文化など、デザイン思考やデザインプロセスに関する授業を中心に履修しています。特に印象に残っているのは、デザイン発想のプロセスの理解を目的とした「デザイン方法論」という授業です。レクチャーやグループワーク、ワークショップを組み合わせた体験型授業で、日常の生活環境から発見した問題を、視覚的・物理的なアイデアに変換して解決する方法などを学びました。
 

どの授業も英語ではなく日本語で行われていたため、特にグループワークでは言語

デザイン方法論の授業で作成したイラスト(テーマはリフレーミング)

の壁に苦戦することもありましたが、現地の学生と協力して課題に取り組むことで、多くのことを学ぶことができました。

― 留学先でのグループワークは、アアルト大学で行うものと何か異なる点を感じましたか?

イルッカ:日本人の学生と一緒に行ったグループワークでは、学生たちはチーム内の「ハーモニー(調和)」をとても大切にしていたと思います。私が参加したグループでは、チームメンバー同士の激しい意見の対立や衝突はなく、グループワークの中で「礼儀や協調性を重んじる」「空気を読む」という日本の文化を強く感じました。

フィンランド人同士で行うグループワークの場合は、ハーモニーよりも「効率の良さ」を重視する傾向があると思います。フィンランド人は自分にも他者にも正直なので、グループワークの中でも自分の意見をはっきり伝えることを大切にしていていますね。また、グループワークとは直接関係ありませんが、日本人の学生と比べると、フィンランド人の学生は先生に対しても物おじせず、授業中に自分の考えを発言したり、質問をする人が多いように感じます。

― 確かにフィンランド人は自分の意見や考えを言葉にして、それを相手に伝えるスキルがとても高いように感じます。さて、日本での留学生活も終盤に差し掛かってますが、振り返ってみていかがでしょうか?

イルッカ:半年間の留学を通して、日本語の上達だけでなく、デザインに対する考え方や視野が広がったので、本当に留学してよかったと思います。3月に大学の授業が終わり、4月には国内旅行をしたあとフィンランドに戻る予定です。でも、もし機会があれば、次は日本でUI/UXデザイナーのインターンシップを経験してみたいです。職務体験を通じて、日本の文化や価値観を別の角度から学ぶことができたら嬉しいです!

取材を終えて

時折英語も交えましたが、ほとんど日本語で行った今回の取材。留学前よりも日本語力が格段にアップしていて、留学生活の中で言語力を向上させる努力を重ねてきた姿が目に浮かびました。そして、言語の壁や文化の違いを感じながらも、周囲からの学びを積極的に取り入れて成長しているイルッカ。そんな彼の前向きな姿勢を見習いながら、私も残りの留学生活の中で一つでも多くのことを学んでいきたいと思います!

それでは、Nähdään!(また会いましょう!)


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それではまたお会いしましょう!Hej Hej 👋

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