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Opus

昔から坂本龍一の選ぶ和音のセンスにドキドキしてしまう。おしゃれで、センチメンタルな響きに少し涙もでてしまう。

フィルムの冒頭に、癌の治療で一晩のコンサートを弾くのが難しいので一曲ずつ録音した、と語っていた。
文字通り、命を思わせる演奏であり作品群であり、氏が亡くなった今は映画そのものが走馬灯の様だった。
映画音楽といえば、モリコーネ、ウィリアムズ、坂本だと、私は思う。映画が終わったあと音楽が強烈に後を引く、そういう音を残した人だった。
子供の頃に見たYMOはエキセントリックな印象だったが、演奏は生涯丁寧な人だった。よく弾き込まれた音はすぐわかる。

この映画はただのコンサートの録画ではなく、いなくなった人を惜しむ、残された人のためのものだ。坂本龍一がいなくなっても私たちはまだ魔法がきれない。何度も思い出しては切なくなる。
日本公開は五月公開だそうだ。ぜひ観に行ってください。


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