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お薦めクラシック5

私の周りの人間は必ずしも音楽家というわけでもない。そういう場合、ワーグナーのオペラの話をしても喜ばれないので、お薦めを聞かれたらどちらかというとすこし軽い目のものを勧める。今日は器楽曲のおすすめについて入口の一つをご案内できれば、と思う。
クライスラーは非常にしゃれた作曲家であり彼自身が人気バイオリニストだったこともありバイオリンの曲をたくさん書いている。なんとも色っぽい音楽でなおかつさわやか、そして音の響きに独特のセンスがある。そしてハンサム。曲はどれも短めで、お酒を飲みながら聞くにはもってこいのサロン系。
愛の喜び、愛の悲しみ、美しきロスマリン、中国の太鼓、等々素敵な名前がついているのもわかりやすくてよい。バイオリンの良さが非常に分かりやすく伝わり、だれもが、私もバイオリン弾いてみようかしら、と思ってしまうくらい心をつかむ。歌心があり、個人的なお手紙の用である。

Fritz Kreisler plays Kreisler "Liebesleid" in 1930 and 1942 - YouTube

この録音はクライスラー自身が自分の作った愛の悲しみを弾いている貴重なものだ。気品と色気がある。
昔はこういうものを車の中でよく聞いていた。音楽が職業になってからはどちらかというと、家で音楽を聴くときどうしても仕事の準備になりがちで楽しみのためだけに聞く時間は減ってしまったけれど、久しぶりに聞いてみるとなんとも言えないセンスがある。冬の日温かい部屋の中でウイスキーをなめながら聞くのにもってこいだ。


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