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新曲『All In My Head』徹底考察バカ一代(歌詞編)

こんにちは。
asobiというバンドでトラックメイクを担当しております。Lainey(レイニー)と申します。

2024/2/14にリリースされた新曲、『All In My Head』について、"解説"ではなく、あくまでメンバー1人の主観から"考察"していきたいと思います。

俺がここに書くことがバンドの総意ではおそらくないし、あくまで参考程度に読んで頂けたらと思います。

今回は、3MCがためにとかく全体のイメージが掴みづらい『歌詞』について!

以下歌詞全文(歌ネットリンクです)


【歌詞について(Shoji)】

『一夜だけの関係を求める女の子と、それに翻弄される男の子の話
it’s all in my head till it’s over は直訳すると「終わるまでは妄想」という意味で、最中は夢みたいだったけど終わってみたら(女の子が去った後)「あれは本当にあったことだったんだなあ」としみじみ思ってる、みたいな感じ』(Shoji歌詞解説)

だそうです。以前のインタビューでも話してましたが、基本フラれたり切ない恋を歌詞にすることが多いShoji。今回は遊ばれちゃいましたね。

あんまり本人に言ったことないんですが、分かりやすく『これは彼女が言ったセリフ』みたいなのを提示してくれるのがShojiの優れてるとこだと思います。

僕は英語話者じゃないのでフンワリ解釈なんですが、女性側の言い回しがちゃんと翻弄してる感じというか、オシャレかつ『上に立ってる感』満載なんですよね。

対して男性側の溢れる童貞感。
実際の情景と内面にある心情描写を織り交ぜながら、『伝わるんだけど説明しすぎてない』感じがクール。

ちなみに本人が意識してるかは知りませんが、Moonlight in the Backseatとキーワードがちょいちょい共通してるのがアツいすね。

あちらはティーンズラブっぽい内容なのに対して、こっちはもうちょいビターな大人の関係、みたいに、状況としては全然違うのもマルチバース(言いたいだけ)感あって好き!

あとこれは身内贔屓みたいな部分もあるかもですが、歌詞内に性描写があるにも関わらず全然イヤらしい感じがしないのも推しポ。ロマンチックですよね。

Shoji本人は印象として『はっきりしてる』『活発そう』みたいに思われることも多いし事実そうですが、思ってる以上に他人のことをよく見てるし、他者との関係性を見る視点が優れているというか。そういう意味で細やかな面も持ち合わせてるんですよね。
見た印象通りのヤンチャな感じだけではない、感受性の強さ、深さが歌詞に強くあらわれている気がします。

繊細で切なくてちょっとエッチな素晴らしい歌詞だと思います。


【歌詞について(後藤)】

『本当の愛とは何か。わからないまま、それぞれ落とし所を見つけて僕らは生きている。どうしようもない日々。このMVでは東京の各所を、誰もいない夜のシーンで映し出すことにより、満たされながらも空虚な心を持ち合わせる僕らを現しているように思います。どうしようもないけれど、満たされているような感情。そういう気持ちと上手く付き合っている現代人にぜひ届いて欲しい楽曲です。』(後藤歌詞解説)

だそうです。

Shojiの切ないイメージを汲みながら、後藤の歌詞はもっと『生活』を中心に置いてるのかなと、個人的には思います。

陳腐な言い回しですが、『生活感』をそれとなく感じさせるけど、イメージを固定しすぎない歌詞が後藤の持ち味かなと思います。

今回の曲で特に思うのが、『私の海?女性目線なのかな、、、』『どうしようもない、、?これは男性目線なのかな、、、?』みたいに、ふんわりざっくり、リスナーの想像とか解釈にあずけてる部分がすごく大きい気がするんですよね。

ある種散文的とも捉えられるし、個人の中に内在する二面性とか、+−の色々な感情を感じたりもする。
別にそれを否定もしないし肯定もしないんですよね。

あくまで俺の観点ですが、後藤は真面目な話ほど口を噤むタイプで、そういう色々な感情を内に抱えながら慎重に言葉を選ぶ繊細なところがある気がします。

社会においては割と『陽キャ』『陰キャ』とかレッテルを貼ったりしがち(俺もそう)ですが、本来は皆『生活』の中に陽だったり陰だったり色々抱えてて、他人の感じ方によってはそれがひっくり返ったりもするし、そういう複雑な感情を脚色せずにそのまま出力しているのが後藤の歌詞なのかなと。
そんな印象があります。

別に共感することを求めてはいないけど、自然とこちらから『こういう感覚あるかもな』と歩み寄らせてくれる、いい歌詞だな〜と思いました(小並感)。


【歌詞について(荒幡)】

アラハタの歌詞については特に本人が解説してる文とかなかったので、聞いた話とか、歌詞を見た時に思ったことを書きます。

アラハタはめちゃくちゃ優しい、情にあつい奴です。
多分だけど自他関わらず内在してる『加害性』みたいなものにとても敏感で、人を傷つけないように、優しくフォローできるように、言葉を慎重に選ぶ素敵なところがあります。

でもだからこそ、無意識に加害性を振り撒く人間には容赦なく言いたいことは言う。『お前間違ってんだよな。』と。

SNSが発達した現代において、人が本来持つ『加害性』をどう取り扱っていくべきか、、、みたいなところに一石を投じる歌詞なのかなと思います。

『生として自然でも合わせろ目と目』とってもアラハタっぽいですね。いつも膝をつき合わせて目と目を合わせてコミュニケーションを取る。違うと思ったことは違うと言うし、逆に人にそう言われたら素直に自省する。
フラットな視点を普段から持ってるアラハタだからこそ、刺せる歌詞だなと思います。俺が言っても何の説得力もなくなる。

ヒップホップにおいてとかく重要視される『リアル』という要素。
アラハタは別にラッパーとは自称してないですが、アーティストとして『言いたいこと、本当に思ってることしか言えない』超リアルなやつだと思います。

歌詞の統一性、流れをぶった斬る歌詞の内容ですが、asobiは誰もそれが嫌とか思ってないし、前提フロウがめちゃくちゃ気持ちいいので120点花丸です。

曲の個性を生み出すゲームチェンジャーとして、こんなに優れてるやつは他にいないと思います。


歌詞についてはこんな感じですかね。深夜のテンションで色々書きました。

あくまで俺の解釈なので後でメンバーに怒られるかもしれませんが、リスナーとしての一感想にとどまってるのでまあ勘弁してといったところです。


音楽的なところ、特にバックトラック関係についてはまた別の機会に。

たくさん聴いてネ!

つづく。

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