ポエティカル行路 2023.11.18
2023.11.18 (Along the Yokota Air
Base+α)
1.
拝島駅から少し歩いて国道16号を北上。
U.S AIR FORCE
YOKOTA AIR BASE
僕はベースサイドを歩いている。
基地の中にはまったく植えられていないのだが、街路樹にヤシの木が植樹されていて、異国の雰囲気が煽られている。
演じられたアメリカと本物のアメリカ、日本やNIPPON、いろんな要素が重なりベースサイドは構成されている。
ベースサイドの俗的な賑わいと壁越しに見える基地の中の穏やかな雰囲気は妙なコントラストになっている。
日本人のアメリカへの憧れが時々グロテスクに拡大されているようにも感じ、少し疲れる。
カラスが一羽、基地の中も外もPASSなしで自在に飛んでいる。
基地の中は木々が色づいて、New England的空気も感じとれる。僕はNew Englandに行ったことはないけれど。
小さい頃住んでいた街には米軍の通信基地があって、そこから流れるラジオを夜、布団にくるまって聴いていた。
羽村市に入る手前、並んでいたヤシの木が途切れ、街の浮かれていた空気も萎み消えていく。
両側を基地に囲まれた道がしばらく続く。
そして突如空気を読まずに現れるLOVE HOTELやドン•キホーテにゴキブリのような生命力を感じる。
思っていた以上に横田基地は縦に長く、福生市だけでなく羽村から瑞穂町までずっと続いている。
周りをぐるりと回ろうかと最初は考えていたが予定変更し、瑞穂町から湖畔まで歩くことにする。
2.
基地を後にすると風景の中にあったアメリカの文脈がすっと抜けていく。
箱根ヶ崎駅で水分補給し、青梅街道から湖畔へ向けて歩き出す。
一本道なので何も考えずもくもくと歩ける。
ある意味で複雑だったベースサイドでの印象を何も考えずに歩くことで自分の中で消化する。
考えてわかることではない。
なんてことのない道を歩くのも気が休まっていい。プレーンなものの良さを感じつつ青梅街道を行く。
トトロ的のどかさと麗しい陽気が気分を明るくしてくれる。
歩いてみるとこの土地の優しさと癒しに気づける。
寺や神社は自然と自然に融合しているが、それに比べ住宅はトンチンカンなものも多い。
自然に自然と融合するためには、それなりの思想が必要なのかもしれない。
明日は時間がゆるせば、湖の辺りを歩こう。
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