詩日誌 2023.09.15


2023.09.15

1.

私の中の季節の頁が捲られ、秋となったのを感じた。ふいにおとずれた変化、でもそれは小さくても確かなものだった。

おそらくはそこを満たしていた光(職場正門入口守衛室横)のニュアンスが私にそれを告げたのだろう。

今日はどんな日になるだろう。

2.

私のまわりで世界がうごく。
じっとしているからこそそのもの音が聞きとれる。執筆とはそのような行為であるかもしれない。

いつだったか私の部屋に足を踏み入れた人が、自分が石ころや物になったような気がすると口にしていたことを思い出す。

清掃員のおばちゃんがたてるもの音は私を詩の世界から職場へと引き戻す。音にはいろいろな力が宿っている。そういえば聖書には福音という大切な言葉があったな。

3.

『スプートニクの恋人』をハードカバーでかじり読み。何であれ、その中からどれだけ読み取り旨味を絞り出せるかは受け手、つまり読み方の問題なのだと思う。批評的に読むわけではないけれど、大切に読む。

すみれという主人公とミュウの関係がいい。初めて読んだ時はさらりと読んでふーんというだけだったが、今では村上氏の文体における挑戦をアプリシエート出来る。

「ミュウは1986年もののメドックの色を確かめ、それから文体を吟味するみたいに、いろんな角度から丁寧に味わった」P.69

4.

そのものそのままを見る、受けとるということをしないと出会いは消えてしまう。

自分が邪魔をして世界と永遠にすれ違っているようなものだ。


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