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恋は錯覚

「基本的に恋愛は、一時的な気の迷いか、大きな勘違いで成り立っている。だから、皆別れるのさ。だから友達関係に別れはないけど、恋愛にはあるんだって思うよ」

「錯覚でもなんでもいいけど、こっちにはその時スキって気持ちが確かにあるんだよ? 錯覚だから相手にしてくれないの?」

「相手にするの意味がよく分かりません。…いつも相手にしてると思うんだけどなあ」

「いじわるすぎる」

「なんで?? 全然わからない。。。」

「私の前で淡々と、恋は錯覚とか、いつか終わる気の迷いとか、そんなこと言わなくてもいいじゃない。当の本人の前で」

「う~ん、自分の考えを言ってるだけなんだけどなぁ。。たぶんそこまで気が回らないんだなぁ。。だから、女心わからないっていつも言われるんだよ」

「自分の考えが正しいと思ったら、どんなとこでも誰の前でも、述べていいと思ったら大間違い。わたし、10年に1度くらいしか恋しないのに。気の迷いとかあしらわれたの初めて。ひどい」

「大間違いと言われても、それがわからない訳だから、どうしようもないでしょ?」

「ばかじゃないの」

「そこは自分でバカと認識してるよ~」

延々とこんな会話が続く私たちは、私から好きだと彼に告白したものの、恋愛なんて錯覚で一過性のもの、信じないという彼の一撃を食らいつつも、毎日々こんな会話ばかりを続けている。

メッセージだと返信に時間がかかるからと電話がかかってくるようになり、時間をみつけてはお茶したり、助手席に滑り込んだり、してる。

なんだかこれ、用心深い野良猫の餌付けをしているみたいだ。恋愛なんて錯覚、大きな勘違いという彼の心の中に、ぐいぐいと着実に入り込んでいくのが、たまらなくたのしい。

別に真っ当な恋がしたいわけじゃない。だから、これでちょうどいいのかも。…と思っていたのに、まっすぐに見つめられる瞬間が何度か訪れるようになった。錯覚だと言ってたくせに。一過性の勘違いなんじゃなかったけ。

…というわけでこの恋はどこに辿り着くのか、乞うご期待。


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