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CHILLを考える

 「chill」いわゆるスラングで、「まったり」「ゆっくり」「リラックスする」そんな意味を持っている。なんでもチルのひと言で表せてしまうから、私は私にとっての最高のチルを考える。
 
 休日はおしゃれなカフェを目指して車を走らせ、洗練された空間と、こだわりのコーヒーとそこでしか味わえないスイーツやフード。sns映えするかも忘れてはいけない。そのためにかかる移動時間や労力、お金は惜しまない。というよりも、その対価を払って初めて、チルなのだ。
 私はそれが悪いとは決して思わないし、むしろ好きでさえある。特段コーヒーに詳しいわけではないけれど、美味しいか、自分好みかはわかる。ただコーヒーを飲むだけだけれど、それがひとつのお出かけになって、おしゃれをしたり、とにかくいい1日になる。「高いねえ」とは話すけれど、なぜだか後悔はない。

 近所にお気に入りのカフェを見つけて足繁く通うのもいいだろう。そこに読書やちょっとした仕事、勉強なんて加えられたらそれはもう最高にチルな時間だ。あえて服装や身だしなみはラフに。でも、洗練されたカフェで、いつも頼むものは決まっていてる。

 スポーツウェアで運動終わりにチルも、爽やかで格好良い。じんわり身体が温まってきたくらいで、いい感じのカフェに寄り道。携帯ひとつの身軽な装いで、外の景色を楽しみながらひと息つく。帰りはゆっくり歩いて帰る。

 ヨーロッパに来て、少しだけチルの違いに気がついた。私はヨーロッパの小国にしか住んでいないので一概には言えないが、現地の人々はテラス席で太陽を感じながら飲むコーヒーが最高にチルしている瞬間なように感じる。曇りの多いヨーロッパは晴れただけでこの上ない幸せを感じることができて、それがチェーン店であろうがパン屋であろうがこだわりはあまりないのではないだろうか。おしゃれな人もいれば、なんのこだわりもない人もいるし、みんなそれぞれ自分の時間や会話を楽しんでいる。店員さんも日本とは少し違う。練習中なんだろうと思うと愛おしくなるようなラテアートや、カウンターに友達が来て一緒にコーヒーを飲んでいたり。
 私はそんなヨーロッパのスタイルが大好きだ。(もちろんおしゃれでこだわりのある素敵なカフェもたくさんある)

 幸せとひとくくりに言っても、その指標が違うように、チルも人それぞれだ。現段階で、私にとっての最高のチルは、晴れた日に愛する夫とこんな他愛もない話をしながらコーヒーを飲むことだ。それがお家でインスタントでも、チェーン店でも、コンビニで買ったコーヒーを持って公園に行ったとしても、最高の時間だ。それは住んでいる環境や自分の置かれている状況によって変わるものだけれど、彼がいる限り私のコーヒー時間は最高にチルだ。


 

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