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県歌「信濃の国」メタバースに響く - VRChatで「長野県民集会」地元の友人作る契機に

 2月7日夜、私、蘭茶みすみはメタバースプラットホーム「VRChat」で「長野五輪開会24周年記念『メタバース信州人集会』」を開いた。長野県ゆかりのメタバースユーザーが集まり、「昆虫食」「長野五輪」など、思い出や地元ネタを語り合った。閉会は県歌「信濃の国」合唱で締めくくった。

 「長野県のフレンドを集めて、オフ会とかもしたら楽しいのでは?」と私と安曇野市の住職ぎーくんさんたちで考えた集会。新型コロナウイルス感染症の流行で、なかなか他者と交流できない社会情勢でも、実際に「人間として」会うことができるメタバース上で、地域の交流をつくることに私は価値を感じている。

 個人情報に関わる話も出てくるため、招待したユーザーしか来られない空間「invite」インスタンスで開いたにも関わらず6人が集まった。クリエイターのサックーさんが登山でパノラマ撮影した北アルプスの景色が楽しめるログハウス風のワールドを活用。槍・穂高連峰を眺めながら、地域の交流を楽しんだ。

 「松本は雪は大丈夫かい?」「諏訪湖の御神渡りもう少しだったのに残念だったね」「御嶽海勝ったね」と、県内のそれぞれの地域の近況報告が交わされる。「そういえばオリンピック始まったね」「24年前の長野五輪の時は何していた?」「ごめんまだ2歳だった」。同じ地域にいながら、あまり交わることがない年齢層の人間同士が、友人同士のようにローカルネタを楽しんでいる。

 「長野と言えば昆虫食だけど、イナゴソフト食べたことある?」「イナゴの佃煮は食べたことあるよ」「小さいころ狩りに行ったけど、殺す時がかわいそうだった」。伝統の昆虫食の話題だ。VRとメタバースという最新の技術が生み出す空間に交わされるアナログな会話。「私は南箕輪村に住んでいて」「あ!私は隣の伊那市だ!」思いもよらないところで「どこで熊を見た?」のような集落レベルの話も出てくる。

 最後は私が空間に長野県の地図を描いて、みんなで記念写真を撮ってから参加者みんなで県歌「信濃の国」を合唱した。インターネット回線を経由しているので1小節レベルのタイムラグがあるものの、これもまた楽しい。みんな1番は歌えるものの、2番以降になると「え!?歌詞何だっけ!?」となる。こんなところにも県民あるある現象が見えてくる。

 世界中どこでも会うことができるグローバルなメタバースという空間で、ローカルな友人と会う楽しさは、大学や県外の職場で、思わず同郷の友人に会う感覚と似ている。新型コロナウイルス感染症の流行が収まったらみんなでオフ会をしてみたい。

 また、他の都道府県民が集まる集会もあるというので、ゆくゆくはコミュニティ「メタバース日本列島」を作って「空から日本を見る会」とも組み合わせて、地域振興もできるのかもしれない。メタバースとリアルがどんどん融合していく。

メタバース信州人集会告知ポスター

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