最近の記事

レジリエンス

新しい年が明けた。これからの時代を生き抜く心構えとして喪失から回復してさらに成長するという力、レジリエンスが求められている。もともと物理学や工学で用いられた言葉だったという。コナーデビッドソンという学者の回復力尺度の指標として以下のことが紹介されている。・変化に対応できる ・親しく安心できる人間関係がある ・時には運命や神様が助けてくれる ・過去の成功が新しい挑戦へ自信を与える ・ユーモアを大切にする ・結果が何であれ最善をつくす ・どこに助けを求めればよいか知っている ・プ

    • 地元で出来ること

       およそ半年ぶりの投稿となった。世界的にコロナはまだ収束していないが、日本ではワクチン接種もすすんで一時的な感染拡大が抑えられている。経済活動も徐々に戻ってきた感じである。コロナ拡大中は外出や出張もなるべく控え、直接ヒトと会う機会は確かに減ったように思える。テレワークの普及で仕事のやり方も変わり仕事と生活の場を分ける”多拠点生活”というライフスタイルを求める人も出てきていると聞く。これから年齢を重ねるにつれより自分の居場所をしっかりと探さなくてはならない。職場でも生活の場でも

      • 医療リテラシー

        最近の日経新聞の記事に”大往生が医療費抑える“という見出しの記事が目を引いた。今やわが国の医療費は43.6兆円(令和1年)にものぼる。医療費が最も高い高知県(113万7千円)と最も低い岩手県(74万6千円)とで40万円の開きがある。病床数が多いと必要度の低い入院、長期入院が増え医療費が高くなる一方、死因で老衰と脳卒中が多いと医療費が少ないという傾向があるという。しかし脳卒中という突然死は医療費こそ少ないが望ましい死とはいえない。医療費が低い地域にみられる高齢者の働く環境を整え

        • 水の大事

          人は1日2ℓの水を取り入れ、そして同じ量を排出しているという。私たちの体の60~70%は水でできていて、たとえ食料がなくても水があれば2~3週間は生きられるが、水を一滴も飲まなければ4~5日で死んでしまうという。まさに命と水はつながっているのである。「人間らしい生活」を続けるために飲料水として5ℓ、トイレなどの衛生設備に20ℓ、炊事に10ℓ、風呂やシャワーに15ℓで1日に50ℓ(最低限でも20ℓ)の水が必要だといわれている。蛇口をひねると当たり前のように使える水についてもっと

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          軍師とは

          戦国時代の軍師ときくと黒田官兵衛、竹中半兵衛、直江兼続などの名前がうかぶ。戦術を駆使して相手の大軍を打ち破るというイメージが強いがその実、戦の事前交渉役で、事務的な仕事が中心だったという。実際の戦場で対峙する前に外交的、政治的にすでに勝敗を決めるよう交渉事を進めていくのが戦国時代の軍師の仕事だった。最小の被害で最大の功績をあげる。そのために知略、謀略を駆使する訳だが戦わずして勝つというのは現代の競争社会のなかでも通じるものがあるのかも知れない。

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          少し先の未来

          近頃書店で未来予測に関する本を多く目する。10年先、20年先・・・。コロナ禍で先の見えない不安に少しでも明るい展望を描ければとみんな思うのだろう。ひとつ手にとって読んでみる。そこには今までSFでしかみたことのない世界やこれまでの常識をはるかに超えるような科学の発展が描かれている。健康で長生きしてそれらを目の当たりにわくわくできるよう好奇心をもったシニアでありたい。

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          書評

          本はいろいろなことを教えてくれる。また実際には体験できないことを疑似体験させてくれる。書評という仕事がある。書物の内容を紹介、批評して読者に伝える職業文筆家。人よりたくさんの本を読み、自分を前に出し過ぎず、自分の立ち位置をふまえて世の中のながれも理解しながら簡潔に自分の言葉で表現する。客観性が失われた文章は読んだ人を不快にさせる、自分のなかに編集者的な視点を持つことが必要だと書評家の印南氏は書いている。だが、人間には波がある。乗っているとき、乗らないとき。どうしても今書ける状

          音楽の効用

          音楽により免疫力を高める、音楽療法は実際予防医学にも貢献している。BGMによって生産性を高めミスを減少させると同時に職場の作業疲労を軽減し士気を向上させる。また病院などの医療の現場でも滅入った患者の気持ちを明るく引き立て、恐怖心を軽減する効果があるという。音楽は作業や運動にはプラスにはたらくが学習や記憶、読解にはマイナスという脳科学者の指摘もある。私も下手の横好きでクラシックギターを続けている。最初に手にしたのは小学生の頃だろうか。だがあれからお世辞にも上手になったとは言えな

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          生計一と世帯

          生計一というのは日常の生活の資を共にしていること、つまり同じ財布でつながっている関係だ。別居状態の親族でも仕送りで生活してればそれは生計が一と考える。このことは所得税の控除や相続税の特例が使えるかどうかの判断で税法の世界ではとても重要だ。これに対して世帯というのは「居住」という生活の単位といえるだろうか。ただ世帯が一緒だと高齢者の親と子供が同居している場合、現役の子供の所得にたとえば年金暮らしの親の介護保険料が影響を受けて高くついてしまう。以前からある連帯責任的な悪しき発想?

          生計一と世帯

          中高年と中高生

          孫とおじいちゃん、おばあちゃんほどの年齢差。私も今年55歳なので紛れもなく中高年の領域だ。早ければ50代でも孫がいておじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれる人もいる。若者は年配者に経験と知恵を、また年配者は若者から若さや好奇心を学ぶ。学びと言ってもリカレント教育が掲げる大学のようなアカデミックな場だけではなく、寺子屋のような場所で中高生の孫や中高年のおじいちゃん、おばあちゃんが入り混じっての知的交流の場があっても良いかもしれない。好奇心は脳の記憶力にとってプラス、マンネリはマイナ

          中高年と中高生

          フレイル

          時々耳にする言葉だが、健康な状態から介護が必要な状態になるまでの中間の段階ということで説明される。私たちも知らず知らずのうちに年齢とともに筋力が衰え、疲れやすさを感じやすくなる。身体的な問題だけでなく認知機能や精神的、経済的困窮の問題など社会問題もふくまれ、手遅れになる前に発見し支援を受けて生活機能を維持していくことに努めなければならない。人生が長くなる分、メンテナンスが必要ということだ。そのためにも現役時代、偉くなるより人に役立つことを考え、シニアになっても頭と体力をつかう

          フレイル

          本の街

          私の職場は本の街、神田神保町にある。亡くなった父はかつて麻布で書店を営んでいた。就いた職業は違っても私も本に縁のあるこの地で会計事務所を構え、仕事の本に囲まれながら毎日を送っているのだから何とも因縁を感じるものである。「本屋を守れ」という著者の藤原正彦氏は、読書とは国防である、とまで言っている。何故なら幕末から明治にかけて来日した外国人は、多くの町人たちが本屋で立ち読みをしているのに驚いた。当時江戸には800軒、京都にも200軒の本屋があり、江戸末期の日本人の識字率は9割を超

          会計帳簿、侮るべからず

          確定申告の真っ只中である。今年も個人の決算である確定申告は昨年同様コロナの影響でひと月期限が延長されている。一方で法人の決算もわが国では昔から3月に集中する。決算書は一年間の事業の成績表のようなものだが、それは日々の記録である会計帳簿から成り立っている。歴史をひも解くと、会計帳簿というのはその昔、支配層や富裕層にとって軽視されてきた過去があった。しかし、その重要性に気づいていれば、実は一企業はおろか、一国の経済をもつかむこともできたのだ。資本主義の発展を支えた裏には、会計技術

          会計帳簿、侮るべからず

          15分を意識する

          私たちの集中力には限りがある。だから効果的に時間を使いたい。精神科医の樺沢氏が“15-45-90”の時間の法則を提唱する。15分は高い集中力が維持できる。45分は子供でも集中力を保てる長さ。最後に90分は集中できる限界で大学の講義と同じ長さ。私たちは時間があればあるだけ使って作業をしてしまうという傾向がある。そして漫然と仕事をしている間は注意も散漫になりやすく、本当に集中することが難しくなる。集中力もいつまでも続くわけでないので一日のうちにこうした時間のブロックを活用して効果

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          社会保険と税金のちがいを子どもに聞かれたら・・・

          私たちが働いて稼いだ所得から差し引かれる社会保険や税金。大人たちはそれらをきちんと負担していても、いざ子供からその違いを聞かれると意外と答えられないことが多いのではないだろうか。社会保険はその名の通り保険料として病気やケガ、老齢や死亡などの一定のリスクに備えてみんなでそれを分散して支える仕組みで負担と給付の関係があり、いざリスクが発生した場合は給付を求める権利がある。それに対して税金は国や地方の行政サービスを受けるために所得に応じて負担しているもので納税にともなってその個人が

          社会保険と税金のちがいを子どもに聞かれたら・・・

          再び脳トレ

          私たちが毎日つかっている脳の働きについて知っておきたい。脳は体重の2%程度にも関わらず、成人の場合全身で消費するエネルギーの20%も使うという器官。一体どれだけ自分の脳の働きを知っているのだろう?忙しい現代人は仕事であれもやり、これもやりが多いかも知れない。だが人間はパソコンが得意とするようなマルチタスクが本来苦手らしい。それをし続けることで集中力や作業記憶を阻害する、つまりは気が散って脳がうまく働かないのだ。実際生産性が大きく下がり、判断力の低下をもたらすという恐ろしい研究

          再び脳トレ