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Trip|写真で旅する冬のフィンランド 〈02.クリスマスマーケットと聖ルシア祭〉

フィンランドの美しい自然とデザイン、そこに暮らす人々に魅了され、その魅力を発信する活動を行うイラストレーター・フォトグラファーの入海ヒロさんがお届けする、“読む”フィンランド旅。以前の連載、『私のフィンランド探訪記』とあわせて、ぜひお楽しみください。

2022年の12月、4年ぶりのフィンランドに行ってきました。前回のセイナヨキに続き、今回は旅のもうひとつの目的、クリスマスマーケットと聖ルシア祭の様子をお届けします。


フィンランドに到着した翌日、12月1日にスタートしたヘルシンキ大聖堂前のクリスマスマーケット。うっすらと雪がかかる三角屋根がずらりと並ぶ様子に心が弾みます。

さっそくマーケットの中へ。三角屋根のブースには、さまざまなクリスマスの飾りやプレゼントにぴったりな雑貨たち。

多くの人で賑わう広場。ペットもクリスマス仕様にドレスアップ。


屋根の飾りやリース、マーケット内のツリーはすべて、森の木々から作られています。

降り積もった雪と電飾だけのシンプルなツリー。

テーブルには小さなもみの木。クリスマスの飾りつけを見るだけでも、充分に楽しめます。


クリスマスマーケットで欠かせないのがフードエリア。グロギやスープなど、温かい飲み物の前はどこも行列です。

お祭りに欠かせないりんご飴。万国共通なのですね。

焼き栗屋さんもあります。焼いている様子に引き寄せられました。

何を買おうか迷いましたが、ここはクリスマスらしく、この季節に飲むホットワインのグロギと、星型のパイヨウルトルットゥに。この日の気温はマイナスでしたので、甘いスイーツとスパイシーなグロギが体に沁みわたります。


滞在中に何度も立ち寄ったヘルシンキ大聖堂前のクリスマスマーケット。夜になると電飾が際立って、より温かな空間に。昼とはまた違った雰囲気をみせてくれました。


毎年12月13日は、キリスト教の記念日のひとつ、聖ルシア祭が開催されます。この日の広場には大勢の人が集まり、テレビ中継のクレーンもありました。「ルシア」は光に由来する名前だそう。「サンタルチア」の歌声とともに階段を下りてくる、その昔キリスト教徒を救ったと言い伝えられる少女・ルシアの様子は、夜が長いこの季節の光に重なりました。


滞在中に訪れたセイナヨキのマーケットに並ぶ、スウェーデントーチやリース。ヘルシンキ以外でも、フィンランドのあちこちでクリスマスに向けたマーケットや装飾が行われていました。

ラプアン カンクリ・ラプア店もクリスマス仕様。この小さな観葉植物は「フオネクーシ」と言い、屋内で育てるもみの木だそう。


寒くて暗い本格的な冬を迎え、陰鬱な気分に陥りがちな11月を乗り越えると、クリスマスマーケットが始まります。街を彩るクリスマスの電飾の温かさは、フィンランドの人たちにとってご褒美の灯りであり、そして少しでも長くクリスマスの陽気を感じていたいという祈りのようにも思えます。

去年の冬のフィンランド旅行は、この目で見たいと思った景色をたどる旅でした。帰国後は、その場に立った時の眩しさ、高揚感を思い出しながら写真を眺めては、この写真をいつか多くの方々に楽しんでいただきたい、分かち合いたいと思っていました。1年後、こうして同じこの季節にお届けできたことを嬉しく思っています。

2021年から約2年間、お読みいただきありがとうございました。

すてきなクリスマスをお迎えください。
Hyvää Joulua kaikille!

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