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魚を欲するではなく釣り方を覚えて欲しい

どーしようもない人です。こんにちは。

昨日から猫様と一緒に箱根に来ております。
6つものプロジェクトから一気に卒業となると、1日に目を通さなきゃならん200〜300通のメールも来なくなるので、手持ち無沙汰感とともにお湯に浸かっております。

ここ数ヶ月の振り返りとして、自分で考えさせるためのアプローチについてまとめてみたいと思います。

『授人以魚 不如授人以漁』

老子の格言に『授人以魚 不如授人以漁』というのがあります。

「飢えている人がいるときに、魚を与えるのか、それとも釣り方を教えるか。」という話で、「魚を与えれば一日で食べてしまうので次の日にはまたお腹が空いてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」という考え方ですね。

老子の格言から2500年ほど経った現代でも、わからないこと(知的な飢え)に対して、答え(魚)を求める人が多いという事実はなんだか寂しいものですね。

マニュアルだとかテンプレート、フォーマットというのはいわば魚だと思います。

確かに、新しいゲームが出ても攻略本が出るまでやらない人というのも身の回りに一定数いましたし、バックパッカーのような旅より大手旅行代理店の企画したツアーやクルーズ船に乗ったほうが安全だし、十分楽しめるという人もいるでしょう。

宝くじで大金を求めてる人も同じ思考かと感じます。

ただ、問題解決していく仕事においては、イレギュラーな事態にどれだけ対応できるかが重要なので、調べ方や考え方(釣り方)を覚えて磨いていかないとすぐに解決策がわからない状態に陥ります。

そりゃそうですよね。課題というのはクリアしてもまた別の新たな課題が生まれてくるのが実社会ですし、ビジネスの世界です。

考えるのが苦手な人もいる

とはいえ、こうした物事を考察・分析し、多角的に捉えて情報を整理し改善案をアウトプットするといったことが苦手な個人もいます。

ただ、組織やチームで仕事を進めていく場合は、別に一個人でこの思考プロセスを丸っと受け持つ必要はないわけです。

ディレクションする人、過去事例や社内外の関連情報を集める人、集めた情報を整理する人、咀嚼して自分たちの言葉に落とし込む人、追加のアクセントを加える人、出来上がった回答をプレゼンする人…といった具合に細分化する事はできます。

知ってる人に聞いてしまうのは確かに早いですし、なによりラクです。

おそらく、本人にはラクをしてサボっているつもりはないのでしょうが、魚をもらっているように、与えられた答えは急場しのぎにはなっても血肉にはなりません。
※魚に栄養がないという話じゃないですよ

なにより、考えた痕跡のない質問というのは答えを知っている人にはバレます。

答えにたどり着いたひとは、どうやってその答えにたどり着くかを経験的に知っているわけですからね。

調べれば分かることを聞くのは相手の時間を奪うこと

他人の時間を奪うことに罪悪感を感じない人というのは一定数いますが、タイム・イズ・マネーという諺に代表されるように、ビジネスに於いて時間を奪うことはお金を奪うのと変わりません。

『Remember that time is money』

ベンジャミン・フランクリン著『Advice to a Young Tradesman』より

つまり、カツアゲやタカリをしているようなものです。

もちろん調べてもわからないことや前例のない課題に直面したとき、上席や先輩にアドバイスを求めたり、前任者や同僚、あるいはメンターに意見を聞くことは大事でしょう。

ただ、いつまでも学生感覚、親のスネかじり感覚で、栄養バランスの良い食事が黙ってても運ばれてくるハズだ。と思っているとしたら、甘ったれるなボケと言われても仕方ありません。

いまや、インターネットで調べれば、ビジネスノウハウなんていくらでも見つかります。ありすぎてどれが正解かわからないくらいかもしれませんね。

だからこそ、ちゃんと調べた上で質問してくる人が、どういう情報を見た上で質問しているかも、予測がつくのです。

とりあえず聞いてみようではなく、まずは調べてみて仮説を立てる。
それでも分からなければチーム内で議論してみる。
それでも分からなければ、質問してみる。

調べずに聞いてしまう別の理由

とはいえ「調べれば分かる」はずのことを聞いてくる人もサボってるわけではなく本当に分からないんだと思います。

何が分からないのかすら分からない・・・

研修初期などでは、こんな声もよく聞きます。
初めて行う業務などでは、基礎知識や前提知識も覚束ず、バラバラに覚えた情報が点在していて線としてつながっていない状態なのでしょう。

まあ、作業メンバーならその状態もさもありなんと思いますが、ディレクションすべき管理者などに関しては基礎くらい分かってる人を連れてこいや!と言いたいですけどね。

例えば心臓外科や脳外科のオペを業務移管するのに、病院では働いたことありますが検査技師やってましたとか医療事務員でしたって人に引き継げないですし、星付きレストランのシェフを交代するのに、料理のイロハから教えて下さいって人連れてこられても困りますよね。

そのくらい物理的に難しいいわゆる“無茶振り”をしておいて、次の人が仕事をしやすいように完璧なマニュアルを作るのがあなたの責任です。みたいなことを言われ、仏のはむさんもさすがに怒ってしまった・・・なんてことは記憶に新しいです。

最終出勤日だというのに、大人気なかったと反省です。。(一昨日かいw)

話がそれましたが、「調べれば分かる」ことを聞く理由は、そもそも調べ方が分からないケースや答えがありそうな場所すら当たりをつけられない、あるいは調べ方が良くないといったことかと思います。

それでも調べずに聞かれてしまったら

なので、「調べれば分かるでしょ」的な質問をされた時は、なるべくグッと堪えて、あるいはあえて笑顔を作ってから、次のようなステップでヒントを提示するようにしてます。

✔「あー、それは・・・とかに書いてあるよ」(参照先の提示)
✔「一緒にやってみようか、こうやって・・・」(ハンズオントレーニング)
✔「あとで、同じことを自分でもう一度やってみてね」(成功の追体験)
✔「これで次からは自分でできるね」(効果の示唆)
✔「これってこういうケースでも転用できるよ」(汎用性の紹介)

※気分屋なので、コラーってなってしまうことも少なくないですが^^;

おまけ:それでも聞いてくる人に

とはいえ、優しく教えていると欲張る人やラクを覚えてサボる人、調べ方を知っているのに遠慮なく人の時間を奪いに来る人というのも一定数いますよね。。。

そんな時間泥棒には遠慮なく言ってやっていいと思います。

「まず、自分で調べましょう」とね(ΦωΦ)

まあ、個人的な意見ですが・・・
はむ。

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PS.とはいえ、お金払ったら魚が出てくるお寿司屋さんとかで、たまにはのんびり愚痴りたいものですね。

あとで、小田原まで下山しよう。

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