バリバラと24時間テレビにみる「障害者」の捉え方の違い

乙武さんの「五体不満足」の本は、一般的な障害者のイメージを崩して広く受け入れられたけれど、「感動的な」障害者像の枠をでるものではありませんでした。(その後の活躍を通じて、障害者も人間だということが広まりましたが)

感動ポルノとは

「感動ポルノ」という言葉は刺激的で24時間テレビで取り上げられる障害者のドキュメンタリーにもよく当てはまります。NHKでもそのような番組はよくあります。もちろん取り上げられる事例が全くの嘘ということではないし実際感動的だと思う。ただ言われてみると確かに取り上げるときの視点が健常者から見たステレオタイプの障害者像にそって作られていて健常者のニーズに応えるようにできている。

バリバラという革新

バリバラの初代プロデューサーのインタビュー記事を読むとその視点の違いを意識的に掘り下げていて、障害者の世界に飛び込んだ中で見えてきたものを伝えようとしていることがわかります。

番組のコンセプトについて一番大切だと考えるのは「最初に考えたのは障害者を笑うのではなく障害者が笑わせる、障害者とともに笑うということでした。」部分だと思います。

ただ、24時間テレビに対する批判は、そのような視点の違いによるものだけではなく、チャリティーや慈善事業などに対する偽善アレルギーのような過剰なものを感じます。この部分については、また考える必要もあるかなとも思います。

企業の社会貢献

・企業が進める社員のボランティア活動に関する事例集
https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/chiiki_tabunka/chiiki_katsudo/kyouyo/files/0000001072/HP_kigyou_jireishu.pdf

東京都が企業ボランティアについてまとめた事例集では、大手企業から中小企業まで様々な事例が割と丁寧に紹介されていました。ただの企業のイメージ戦略ということを超えて本業と繋がった取り組みが印象に残りました。

東京ソワールでは、フォーマルウェアを販売する会社ですが、子どもや高齢者に向けた社会貢献活動を行っています。「高齢者ファッションショー」では、高齢者施設で高齢者がモデルとなりファッションショーを行い高齢者に喜ばれているそうです。

海外では

海外の事例をみると、ソーシャルグッドということで、企業価値と社会的な貢献が一体のものとして取り組まれていることが紹介されています。たしかに企業の社会貢献活動というと企業イメージを上げるための手段として使われる傾向はあります。金銭的に儲からないことにも取り組むことで、企業の本質的なことが深められるということは言えるのではないかと思います。

新しい寄付の形


次にもう少し直接的に寄付ということについて海外の事例も含めて調べてみました。

●オルタナ 寄付金集めは「IT」「楽しさ」「参加意識」カギ
韓国の事例 小さなキューブ型募金箱を組み合わせて大きなハートをつくる

記事としては短いのですが、寄付金集めのキーワードとして「楽しさ」「参加意識」が挙げられていて興味をもちました。事例として紹介されていた韓国の財団のホームページをみてみると、財団独自でも寄付活動も行っているのですが、企業や非営利団体に寄付活動へのコンサルティングも行っていました。

・ビューティフルファンデーション (韓国)

また、韓国や世界の寄付の動向などを調べる研究部門や寄付キャンペーンの企画開発やマーケティングの部門も持っていてかなり専門的に寄付活動に取り組んでいます。

これからのNPO活動や企業の社会貢献のあり方を考える上で学ぶ点が多いと思います。


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