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今更のBESSA R3A レビュー

みなさん、お疲れ様です。
Laskey@Photographer。
今さら、役に立たないレビューもチョ
コチョコ書いております。

昨年末からメンテナンスに出していた
フォクトレンダーのBESSA R3Aが
戻って来ましたよ!
それも新品みたいにキレイになって!!
外見だけでは無く、ファインダーと
レンズの光学系にヘリコイドのスムーズ
さ。など、など、ここまで変わるの
か?とびっくり仰天でした。

先ずフォクトレンダーは世界最古と
言っていいオーストリアの光学メーカー
です。詳しくは前回の記事をどうぞ。

名前はVoigtlanderとなっています
けど、実際に作ったのは日本のコシナ。
この頃は既にフィルムレフ機全盛から
デジタルへの移行期で、そんな時期に
このこだわりのフィルムレンジファイン
ダーカメラを世に出したコシナって会社
のマインドには敬意を表したいくらい。
しかも、1999年のBESSA -Lを筆頭に
アナログレンジファインダーカメラ
ファンの痒いところに手が届くカメラ
を2015年まで、L、R、T、R2、R2S
R2C、R2A、R3A、R4A、R2M、
R3M、R4M と12機種もマイナーチェ
ンジ含めてラインナップしてたと言う
気合いも凄いけど、ユーザーの意見を
よくそこまで汲み取ったな。と関心
します。

本家、VoigtlanderにはProminent 35
と言う、これまた凄い拘りの機械式
カメラが戦後にあるのですが、社風に
似た匂いを感じてしまいました。(笑)

ライセンス生産って、魂を受け継いで
作る。そう言う物なのでしょうか?
良くは知らんけど。です。

もっともコチラはなんでこんな機構に
したのか?と言うくらい使い難い。
しかし、メッキと工作精度。今では
コストがかかり過ぎて多分、作れない
レベルかと思う凄い工業製品に仕上が
っています。

Prominent 35


prominent35のことは下の記事参照。


今回はたまたま、いらっしゃった
日本カメラ博物館の市川さんが
ライカM7をお持ちだったので、
ちょっと比較もさせて頂きました。

ライカM7  と BESSA R3A

最初に外観。
なんか、こう撮るとBESSAの方が
大きく見えますが、実際はライカの
方がやや大きい。

上、ライカM7  下、BESSA R3A

私、実はM型ライカをちゃんと触った
のはコレが初めてです。(笑)
ライカに付いてるレンズはフォクト
レンダーULTRON 35mm f1.7。
BESSAに付いているのが、フォクトレ
ンダー Nocton 40mm f1.4 SC
Classic。

市川さんによる、持ち方のお手本。^_^

当然、ライカもBESSAにも詳しい
市川さんによるこのカメラの持ち方。
どうと言うこと無いようですが、右手
の親指の置き場所とグリップ。
左手の人差し指でレンズのピントノブ
を操作。
左目が開いているのも、実はBESSA
ならでは。
クラシックタイプのレンズには今の
レンズには無いノブの付いているモノ
がありますが、この持ち方がとても
理に叶っているのです。

ピントノブ

実際に触るとライカは一回り大きく、
重く、バランスが左右に均等。
BESSAは幾分小さく、軽く、BESSA
だけ持てば気にならないくらいの差で
はあるけど、ライカと交互に持つと
バランスはライカの方が違和感無いのも
分かります。
シャッターもライカは布の横走りで
BESSAは金属の縦走りシャッター。
シャッターを切った時の感触、音、
振動もやはり違うのですが、共に五感
に伝わって来ます。
この他、両機種とも電池で露出計駆動
、AE優先機能が有りますが、ライカ
の 方にはバッテリーが切れても
1/60-125はシャッターが切れる緊急
回避機能があり、コレはさすが。
レフ機のNikonF3を思い出させます。

そしてファインダーの見え方ですが、
M7は最終型でも0.82倍、二重像の
見え方も流石。と思いながらBESSA
のファインダーを覗くとびっくり。

外線40mm 内線90mm


おそらくライカより良く見える。
それもそのはず、BESSAの視野率は
等倍、つまり100%で、M7に優って
います。
さっきの市川さんの写真。左目が
開いていましたけど、ファインダーが
等倍で、両目でみると風景の中に
ファインダー枠が浮かぶように見えて
来ます。ちょっと不思議な感じ。

そして、レンジファインダー機で
課題になるレンズを交換した際に発生
するフレーミングの問題ですがBESSA
はカメラ上面の切り替えスイッチで
ファインダーの中に4種類の画角表示を
可能にしていて、この中に40mmの
画角がある事は特筆に値します。
カメラと同時に発売されたレンズが
Nocton 40mm f1.4 SC Classic。
マルチコートのMCタイプもあります
が、シングルコートのSCの方が
写りの個性は強い気がします。

ファインダーに40mmが表示される
カメラは他にはライツLCくらいか。
レンジファインダー機で40mm使う
ならBESSAは最適です。

画角切り替えスイッチ
50mm
75mm

また、BESSA、R3A のAは露出優先
モードを搭載の意味。
露出補正も上下2段が簡単に補正出来
ます。

Aに合わせると露出優先モード

BESSA。実に良く出来てるカメラで
当時のレンジファインダーカメラの
ほぼ完成形なんじゃ無いでしょうか。

自分はこの手のレンジファインダー
カメラ、特にM型ライカ系には何故か
食指が動かず、せいぜいライカⅢf、
Nikon S2、フォクトレンダー
Prominent 35 があるくらい。
今回手元に来なかったらBESSAの存在
すらあまり知らなかったかも知れませ
ん。
そもそもM型ライカもそんなに知らない
のですけど、今日は大先輩の市川さん
にいろいろ御指南頂きながら比較が
出来て、実に楽しかったです。

フィルムカメラにしては新しい2004年
発売。
洗練されたデザインに質感と使い心地
の良さは写真機って感じがしてなかなか
のものです。
しかし、今や得体の知れないレベルの
BESSAでさえ、中古で15〜20万円
しています。
まぁ、今もおライカ様にはお値段で
比較にはなりませんが。
今さらではあるし、ニッチには違い
無いけど、ライカのレンズが気楽に
楽しめるは本当でした。

作例

Nocton 40mm f1.4 SC
昭和フィルム
SNAPSHOT SKOPAR25mm f4.0
Lomography


SNAPSHOT SKOPER 25mm f4.0
kodak neopan


Nocton40mm Classic SC f1.4


SNAPSHOT SKOPER 25mm f4.0
kodakproimage 100

カメラは写す道具として、使い易いか
、持ち出し易いか、気分が上がるか?
実際、画質に影響してるのは、レンズ
とフィルムの違い。
今回はそんな結果になった気がします
が、撮ってて、使って楽しいカメラ
でした。





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