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「シナリオセンター式 物語の作り方」読書感想

プロ作家700名以上を輩出している、シナリオセンターで使われている手法を一冊にまとめた手引書。物語をうまく書きたい、書いてみたいと思ったことがある人なら一度はこの手の教本を読んだことがあると思う。その中でもこの本は、読みやすいだけでなく、面白い。面白いというのは、読みたくなるということだ。
そして、今まで読んだ手引書の中では一番自分に合っているようだった。
そういった意味でも、面白い本とさせてもらいたい。

わたしがこの本の好きなところは、納得いく言葉で、順序だてて解説してあることである。解説もきちんと整理されているので、快適でもう一度読みたいときにも見やすい。
本当に教材テキストを意識してつくられているから、復習にも使いやすい。
今迄とりあえず分かった気でいたり、モヤモヤのままにしていたりしたことが、収まるところに整理されているのである。そんな印象を受ける。

「こんな風に考えればいいよ」とか「こういう事だ」と著者の考えばかりを読ませるのではなく、まずはこの問題を解くからこの方法でやりましょうと、数学の教科書のように直接的な手順が書いてある。
その段階的な手順が物語が出来上がるまでしっかりと示されているので、すくなくとも1回は、正しい手順で創作を行えることだろう。

これはテキストとして手の届くところに置き、創作に迷ったときには見返す説明書だ。読むときは、机の上にぎゅっと大事に思ったページを開きたい。たくさん付箋をつけて何度もみたい。
そして、見返す必要がなくなるくらい自分のものになったと思ったら、さっさと売るなり、捨てるなりしてしまいたいと思う。
そうなってはじめて、この本を読み終わったと言えるだろう。

とてもいい本でした。
小説を書いてみたくて、書き方を勉強する本を探しているなら、この本がいいだろう。まだ出たばかりの本で、情報も古くなっていない点もプラスポイントだと思います。


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