東京じゃない土地にも縁づいてみたい

生まれてこのかた東京にずっと暮らしてきて、東京はだいすきだしほかの土地は住めないだろうと思っていたし、友人たちからも、こんなに退屈をおそれる人間が東京以外では耐えられないだろうと見られてきた。しかしひょんなことから(まったくもってひょんなことから)近県の都市に拠点をおく友人から街のディープなところばかり案内されておもしろくなってしまい、東京以外の土地に縁づくことに魅力を感じはじめている。それでその土地でブックセラーズアパートメントがオープンするというので、クラウドファンディングで支援をして棚の権利を手に入れたのだった。そうしたら棚のようすを見に行く用事ができて、バタバタしながらもちょくちょくいく理由になると思ったのだ。

それで今日はオープニングパーティーだった。午後に取材を終え、そのまま上野東京ラインに飛び乗って向かう。次の日も朝早いので少しだけ迷ったが、行ってよかった。やはりちょっと毛色の変わった、ちょっと得体の知れない試みに飛びつく人々は、どこか妙で魅力的だ。同じプロジェクトにかかわっているとはいえ、わたしはこの地元に根づいてるわけではないし放っておいたら本屋さんに棚があるというだけでは会うことはなかなか難しい。わたしは凡人だが、行灯の油を舐める猫のように、妙な魅力を放つひとの醸す奇妙さを養分に生きている。

とりあえず本棚には、仲間と作った自主制作本を置いてきた。顔も知らぬ誰かが読んでくれたらうれしいな。

KMGW BOOKS

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